ママの負担を減らしたい! 産院スタッフの想いから生まれた赤ちゃんとパパママの宿泊施設
2019/11/06
「愛和グループ」が開設して話題となった、宿泊型の子育て支援施設「パタニティ・マタニティハウス」。初めて育児を経験するパパ・ママへのサポートを目的としたものだ。今回は、医療法人愛和会 愛和病院 経営統括室主任の内田卓也さんに、施設の詳細や魅力について教えていただいた。
2泊3日の宿泊を通して
ママを気遣う気持ちが芽生える
核家族化や地域コミュニティの衰退などにより、産後、孤独な状態におちいってしまうママの存在が目立つ。内田さんによると、慣れない育児を一人で抱えこみ、「産後うつ」等にかかってしまうケースも少なくないという。
「『愛和病院』では、生後2週間〜2歳の赤ちゃんとパパ・ママを対象に、乳児健診を行なっています。健診中、ママから育児中の孤独について相談を受けることが多くあり、以前より当院でも問題視されていました。“ママを孤独から守るにはどうしたらいいか”と対策を考えたところ、ママにとって最も身近な存在であるパパのサポートが重要なのでは、という意見が多数挙がりました(内田さん)」
こうして開設されたのが、「パタニティ・マタニティハウス」だ。
「パタニティ・マタニティハウス」は、2泊3日、パパとママ、赤ちゃんの3人でゆったりとくつろぎながら、ミルクの作り方やお風呂への入れ方、さらには育児中の家事の仕方なども学べる施設。
宿泊を終えた利用者からは、「基本的な育児の方法を教えてもらえて助かった」「家事を気にせず、3人でのんびり過ごせてよかった」といった好意的な意見が多く寄せられているという。
パパもママもリラックスできる環境を用意。
また、2泊3日の宿泊を通し、パパの心境にも変化がみられるようだ。
「パパの中に、ママを気遣う気持ちが芽生えるようです。育児においては、赤ちゃんだけでなく、ママへのケアも大事であることに、パパが気がついてくれるケースが多々見受けられます(内田さん)」
1歳まで通える「サロンエリア」だから
気の合うパパ友・ママ友ができやすい
また、赤ちゃんが1歳になるまでの間利用できる「サロンエリア」も、好評を得ているよう。
「『サロンエリア』には365日保育士がおり、育児に関するアドバイスを受けることができます。また、たくさんのパパとママが集まるため、パパ友・ママ友ができる方も多くいらっしゃいます。パパ友・ママ友に悩みを相談したり、他愛ない世間話をすることで、ほどよく肩の力が抜けるようです(内田さん)」
初めての育児を経験するパパとママへのサポートは、世間ではあまり重視されていないのが現状。
しかし内田さんは、産後のケアの重要性についてこう語る。
「産後は、生活スタイルが変わったり、慣れない育児に戸惑ったりと、想像以上のストレスがかかります。より良い育児ライフを送るためにも、パパとママは、積極的にサポートを受けるべきでしょう。パパとママだけで頑張りすぎるのではなく、ぜひ、『パタニティ・マタニティハウス』のような施設を頼ってほしいですね」
パパが育児参加することで、ママの育児ストレスが軽減し、次の妊娠・出産への意欲が湧くはずです。ひいては少子化、人口減少に歯止めがかかるでしょう。日本の未来は、パパの育児が握っています。(愛和病院 院長・上里 忠司氏)
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