2025年、生活に直撃する「ダブルケア」問題って?
2018/03/09
柚木みちよしの「日本イクメン増加計画!」。今回は「幼児教育・保育の無償化」のこれからについて考える。待機児童問題やダブルケア問題など、課題が山積する中で、抜本的な解決に向けてこれから日本がなすべきことは何か。
待機児童解消が
優先ではないか?
10月の衆議院議員選挙では「幼児教育・保育の無償化」が話題になりました。保育で一番深刻なのは待機児童問題。若い世代だと共稼ぎのご家庭が増えていますが、特に母親が働けるようにするには、子供を認可保育所に預けるのが必須。ところが保育園の枠が少ないため、希望通りにはいかないわけです。「幼児教育・保育の無償化」をすることで、すでに定員を割っているような幼稚園に税金が投入されて、本当に必要な認可保育園の整備が後回しにされてしまいます。
安倍首相が「平成29年度末までに待機児童をゼロにする」と見得を切ったのに、実現できなかったのを皆さんは覚えていらっしゃいますか?今回の選挙でも自民党は32万人の保育の「受け皿」をつくることで待機児童をゼロにすると公約しました。しかし、民間シンクタンクの調査では、待機児童ゼロにするために必要なのは「88万人分」。自民党任せでは「待機児童ゼロ」の実現は遠くなってしまうことでしょう。
無償化への動きで
保育格差が拡がる?
ところで、「幼児教育・保育の無償化」なのに、認可外保育所の費用は無償化ではなく「最大2万5700円までの補助」にとどまる見込みです。所得に関係なく、認可外保育で月3万円から5万円かかるところが多いので「無償化」とはほど遠いですね。
さらに、延長保育や病児保育は「無償化」の対象外。本当に困っているパパママを援助する制度になっていないのです。これでは、幼稚園に子供を通わせる専業主婦の家庭と、認可保育園に預けられなくて認可外保育所に子供を預ける共働き家庭との間で「保育格差」が拡大してしまいます。