赤ちゃんの乾燥肌を守るためのスキンケア入門
2018/01/05
赤ちゃんの肌は水分をたくさん含んでいてつるつるすべすべ......というのは、実は大きな勘違い!赤ちゃんの皮脂量は生後3ヶ月から急激に低下する。空気が乾燥するこれからの季節、保湿ケアで我が子の肌を健康に保とう。
乾燥するとバリア機能が低下
アトピーの原因にも
乾燥する季節の肌ケアにおける注意点は何だろう。
「生まれてすぐの赤ちゃんは皮脂分泌が活発で脂漏性湿疹(かゆみや赤みを伴う湿疹)などができやすいのですが、生後3ヶ月を過ぎる頃から皮脂量が激減します。そこから思春期を迎える頃までは、人生でもっとも肌が乾燥した状態になり、紫外線や汗、エアコンの風、衣類の摩擦などで、角層が傷つきやすくなります。すると細菌やアレルゲンが表皮の下層にあたる真皮組織まで侵入しやすい状態に!アトピーの原因にもなってしまいます」(千春先生)。
しかし、それは保湿で予防できるという。
「保湿ケアすると皮脂膜と角質層が本来持っているバリア機能を補い、アトピーを30%減らすことができるという研究結果もあります。入浴後や食後はこまめに保湿するようにしましょう。室内は快適に過ごせる20〜30度、湿度は50〜60%を保ち、場合によっては加湿器を使用して乾燥を防ぐのもオススメです」(千春先生)
POINT 冬のスキンケア
① 入浴後や食事後は、クリームを塗るなどこまめに保湿する
② 室内は快適に過ごせる温度20~30度、湿度は50~60%を保つ
CHECK 冬の肌ってどんな状態?
肌が乾燥すると皮脂量が減り、皮脂膜が薄くなって、角層内の天然保湿因子や角質細 胞間脂質が減少。その結果かゆみや赤み、アトピーの原因になる(図1)。冬は気温が下がり空気が乾燥する、肌にとって最も厳しい季節。(図2)のグラフの通り、11月~1月は皮脂の分泌量が最低になり、その一方で水分の蒸散量は急速に増加。デリケートな赤ちゃん肌にを守るためには、冬はいつも以上にしっかり保湿ケアすることが大切だ。夏はさっぱり使えるローションがいいが、冬は保湿性の高いクリームや乳液がオススメ。
PROFILE
千春皮フ科クリニック代表
渡邊千春先生 CHIHARU WATANABE
東京医科大学卒業後、東京医科大学皮膚科などを経て、埼玉県さいたま市浦和に千春皮フ科クリニックを開業。皮膚科・小児皮膚科・美容皮膚科・形成外科のクリニック。乳幼児のスキンケア・皮膚に関しての講演も行っている。医学博士・皮膚科専門医。
Photo >> KOUICHI IMAI
Text >> MIKAKO HIROSE
Illustration >> PANTO DAIKICHI
FQ JAPAN DIGEST VOL.43より転載