知っていれば家族でお得!日本の子育て支援
2016/09/02
「実は親子にやさしい制度は揃っているのに、活用されていない」といわれている日本の子育ての現状。ここでは子育てをもっと楽しく、仕事はもっと楽に!をモットーに、ホットな育児情報を前後編でお伝えします!
■会社に「育休を取りたい」とはとても言い出せない……
⇒ 男性が育休をとった企業は最大60万円もらえる!
男性社員の育休取得で企業に助成金が出る!
本年度より「出生時両立支援助成金」が新設され、男性社員が育児休業を取得しやすい職場環境を作り、男性社員が育児休業を取得した企業を対象に、最高60万円※が支給されることになった。一方、現実を見ると、育児休業を取得したいが会社が認めてくれない、育児休業の取得を理由に不当な扱いを受けた(いわゆるパタハラ)、といったケースも少なくない。これらは育児・介護休業法に違反する行為だ。全国の都道府県労働局雇用環境・均等室へ問い合わせ、相談をしてみよう。(厚生労働省 職業家庭両立課)
※支給対象になるのは、子の出生後8週間以内に開始する連続した14日以上(中小企業は連続した5日以上)の育児休業。過去3年以内に男性の育児休業取得者が出ておらず、男性が育児休業を取得しやすい職場風土作りに取り組んだ事業主を対象とし、1年度につき1名まで。支給額は、中小企業は60万円(2人目以降は15万円)、大企業は30万円(2人目以降は15万円)。
※園児5歳半。求職中含む。男性社員の育休取得で企業に助成金が出る!
■パパが育児休業を取るなら、どの期間が良い?
⇒ 生後8週以内に取ると、育児休業期間が延びる!
パパが育児休業を取れば、1歳2ヶ月まで取得できる!?
夫婦共に育児休業を取得し、一定の要件※を満たせば、「パパ・ママ育休プラス」の対象になり、育児休業取得期間を通常の1歳から1歳2ヶ月まで延ばすことができる(父母それぞれの上限は1年間)。父母が交代で取得しても、重複していても、連続していなくても構わない。また、男性には特例として、妻の産後8週間以内に育児休業を取得すると、もう一度育児休業を取得できるという制度もある。これらを併用すれば、妻が一番大変な出産直後と仕事復帰時の2回育児休業を取り、妻をしっかりとサポートすることができるのだ。(厚生労働省 職業家庭両立課)
※要件は次の3つ。1、子が1歳に達する日以前に、配偶者が育児休業を取得している。2、子の1歳の誕生日以前に、育児休業を開始する。3、育児休業開始が、配偶者のそれの初日以降である。
■「子育て支援パスポート」は旅行先では使えないの?
⇒ 2016年4月から利用エリアが拡大されました!
「子育て支援パスポート」が全国共通で使えるように!
内閣府は、地域ぐるみで子育てを支援するため、各都道府県と協力して「子育て支援パスポート事業」の強化に着手した。本事業は、地方自治体が子育て家族に発行したカードを提示すると、協賛企業・店舗から割引や優待、ミルクのお湯や授乳スペースの提供などの外出支援サービスが受けられるもの。これまで利用エリアは居住自治体に限られていたが、今年4月から41道府県でサービスの相互利用が開始。2017年4月からは全都道府県で相互利用が可能となる見込みだ。お出かけ前に、要チェック!(内閣府)
■みんなどこで遊ばせたり情報を得たりしているの?
⇒ 親子で幼稚園へ行ってみよう!
在園児以外も参加できるイベントがたくさん!
子供を遊ばせたり子育て情報を得たりするのは、地域の児童館や子育て広場……というパパ・ママたち、ちょっと目を転じてみよう。実は、幼稚園の多く(全体の約87%)が、地域に向けた子育て支援活動を実施しているのだ。子育てに関する情報の提供や相談、園庭開放など、実施内容は多岐にわたる。なかには父親向けの講座などを開催している園もあるので、まずは地域の幼稚園の情報をチェックしてみよう。(文部科学省)
■共働きの場合、保育園以外に預け先はあるの?
⇒ 幼稚園の「預かり保育」利用が増えてます!
幼稚園の「預かり保育」でフルタイム勤務も可能!?
共働き家庭の場合、「子供の預け先=保育所(こども園)」と考えがちだが、最近は全体の8割以上(公立60.9%、私立95.0%)の幼稚園で通常の教育時間後等の「預かり保育」を実施しており、預かり保育を利用しながら働く母親が増えている(幼稚園児の母親の有職率は42%※)。預かり保育の実施時間は園によるが、19時頃まで実施している園も少なくない。保育所の空きがなく妻が働くのを断念する前に、※要件は次の3つ。1、子が1歳に達する日以前に、配偶者が育児休業を取得している。2、子の1歳の誕生日以前に、育児休業を開始する。3、育児休業開始が、配偶者のそれの初日以降である。夫婦で地域の幼稚園の状況を調べてみよう。(文部科学省)
※園児5歳半。求職中含む。
■小学生の夏休み中は、親が仕事を休むしかない?
⇒ 便利な「放課後児童クラブ」を利用すべし!
夏休みの「小1の壁」は学童で突破できる!
近年、共働き家庭の増加に合わせて、「放課後児童クラブ(学童)」も進化している。以前は小3までが一般的だったが、6年生まで拡大し、さらに、開所時間が伸びた(全体の約6割が18時以降まで開所)ことが大きい。また、休日や夏休みなどの長期休暇中も開所しているところがほとんどなので、年間通して利用すれば子供が夏休みの期間でも安心して働くことができる。夏休みだけの利用を希望する場合には、空き状況などを地域の窓口で確認してみよう。(厚生労働省 少子化総合対策室)
Text » FUKA SASAHARA
FQ JAPAN VOL.39(2016年夏号)より転載