最低限、知っておきたい! 子供の熱中症講座【対策・処置編】
2016/07/11
熱中症の知識を、要因編と対策・処置編の2回にわたってお届け! 2回目は、熱中症対策と熱中症になってしまった場合の対応について。気をつけるべきは、外出時だけではない!?
知っておきたい!
おうちの熱中症対策
□扇風機を上手に活用!
扇風機は直接当たらないように。クーラーや除湿と併用することで効率よく温度と湿度を下げられる。
□枕がわりにアイスノンを
昼寝・夜寝のときの枕をひんやりアイスノンに。背中にあてるだけでも体の芯まで冷えやすい。
□夜のこまめな換気
気温だけでなく、湿度の高さも熱中症の引き金となるので、風通しをよくするのも有効。夜はエアコンを適宜使用する。
□水分補給が大事!
こまめな水分補給は必須。飲むものも、麦茶などカフェインの含まれないものに。カフェインは利尿作用があり水分を排出しやすくなるので、緑茶などはあまりお薦めしない。
子供の安全を守るため、
外出時の熱中症対策
□帽子、タオル、水分の必需品3点セット
タオルは首や頭に巻けば日よけになり、あおいで風を送ることもできる。炎天下では必ず帽子を被らせよう。麦茶などを常にちょっとずつ飲ませよう。
□涼しい朝~午前中がお出かけタイム
気温が上昇する10~14時の間、長時間の外出はできるだけ避ける。特に日差しの強い12時~13時は外遊びをすると危険。夏は夕方でも気温が高いので要注意。
□こまめな水分補給と休憩を!
たとえプールでも!
水に浸かって体が冷えていそうだし……と油断するなかれ。運動をしているので激しく汗もかいているし、頭部も日差しで高温になる。休憩と水分補給を忘れずに。
落ち着いて迅速に対応するには?
子供が熱中症になったときの対処法
1. 涼しい場所に移し、3ヶ所を冷やす
衣服を緩め(もしくは脱がして)、動脈が走っている次の3ヶ所「首の左右(頸動脈)」「わきの下」「足の付け根」を氷で冷す。そして全身をぬれたタオルで冷やす。その後、うちわで扇いだり、扇風機で風を送る。
2. 意識状態をチェック
意識状態に問題があれば、Ⅲ度(右ページPoint1参照)の疑いがあるため、救急要請が必要。Ⅱ度の症状があれば、原則、医療機関で受診をしよう。
3. 水分補給
意識があり、水分摂取ができれば、塩分を含んだ(0.1~0.2%の食塩)水分を。お薦めは、経口補水液(商品によって摂取量は異なる)を飲ませること。通常は水分と塩分が摂れていれば、20~30分で状態が改善していくが、それでも改善しないようであれば病院へ。
PROFILE
[監修]
十河 剛先生 TSUYOSHI SOGO
1970年 東京生まれ。1995年 防衛医科大学校医学科卒。済生会横浜市東部病院 小児肝臓消化器科 副部長 医学博士躰道七段教士。合気道二段、剣道二段。日本小児科学会認定小児科専門医。日本肝臓学会認定肝臓専門医・指導医。日本消化器内視鏡学会認定消化器内視鏡専門医。自宅敷地内に道場を建設し、Sogo Budo Academy International設立。現在、子供たちや学生たちへの指導を続けている。
Text » MAKOTO SASAYAMA