中小企業が人材戦略で勝つためのツール
2016/04/22
2015年に発足した「イクボス中小企業同盟」が、社長の辣腕なイクボス振りやユニークなルール、目を見張るワーク・ライフバランスの取り組みをまとめた“就業規則集”を作成。
Fathering Japanでは2014年から「イクボスプロジェクト」を開始しました。男性の育児家事時間を増やすには企業(職場)の上司の意識と働き方を変える必要があると考え、イクボスを養成すべく企業内研修などを行っています。
その後2016年4月からは女性活躍推進法が施行され、「一億総活躍」をテーマに「働き方の改革」が国や自治体でも主な政策としてスタート、企業にもそれが求められるようになりました。企業で働く人は多様化しており、特に育児や介護等との両立で「働く時間に制約のある社員」が増えています。
また、今後日本では子供の数は増えず、労働者人口も減少していきます。企業の採用においても超・売手市場になっていくでしょう。
そんな情況において大企業は余力があるにせよ、市井の中小企業がより良い人材を採用・育成し、経営的に生き残っていくにはどうすればいいのでしょうか?
2015年に発足した「イクボス中小企業同盟」ではそのことをテーマに、中小・零細でもキラリと光る会社を発掘・データベース化してきました。社長の辣腕なイクボス振りやユニークなルール、目を見張るワーク・ライフバランスの取り組みが沢山あったので「それを一度まとめてみたい」と考え、社会保険労務士の皆さんと『イクボス式 会社の就業規則集~社員のやる気がアップし、採用に有利な社内ルールはこれだ』(全38ページ)を制作しました。
今回の『イクボス式 会社の就業規則』は、単に労使間のルールを定めるだけでなく、ワーク・ライフバランスを実現するために必要な制度の柔軟な利用方法や、また周囲の協力を得ながら制度の利用を可能にする考え方などを盛り込んでいる点が、従来の就業規則とは異なると考えています。リスク回避を目的とした就業規則ではなく、社員のワーク・ライフバランスを重視した文言が就業規則に少し加わるだけでも、社員のやる気は大きくアップし、会社にとって有効な就業規則になると思われますので、就業規則を新たに作りたい会社や、内容を変更したいと考えている会社は、こちらを参考にしていただけましたら幸いです(イクボス中小企業同盟に加盟する元気な中小企業にも協力いただき、好事例がふんだんに盛り込まれています)。
社員のやる気がアップし生産性が向上する経営方針とは何か?
新人採用に有利な社内ルールとは何か?
すべての会社に当てはまる「正解」はないと思いますが、「今のままでいい」「うちは昔からこうやってきた」「残業削減や男性育休などわが社では無理」ではなく、まずは貴社の就業規則を見直して、必要あれば社員と相談して「上書き」してみてはいかがでしょうか?
きっと既存の社員も自分たちで決めたルールを守り、意欲的に仕事に取り組むようになるでしょう。そして活き活き働く社員が多い会社は地域で評判にもなり、新人採用にも有利になるのです。この冊子(ツール)がそのヒントになることを、FJイクボスプロジェクトでは願っています。
『イクボス式会社の就業規則集~社員のやる気がアップし、採用に有効な社内ルールはこれだ!』は2016年4月20日発行! 入手方法についてこちら(http://ikuboss.com/ikuboss-work-rules.html )から。
安藤 哲也(TETSUYA ANDO)
1962年生まれ。2男1女の父親。出版企業やIT系企業を経て、2006年、NPO法人ファザーリング・ジャパン(FJ)を立ち上げ、5年間代表を務める。一時期は副代表であったが、2014年に再度代表に就任。NPO法人タイガーマスク基金代表。「パパ’s絵本プロジェクト」メンバー、厚生労働省「イクメンプロジェクト」推進チーム顧問、内閣府・男女共同参画推進連携会議委員、子育て応援とうきょう会議実行委員、にっぽん子育て応援団団長、ラジオパーソナリティなどその活動は多岐に渡る。
●「FJ代表・安藤哲也の男の育児“ファザーリング”最前線」記事一覧
https://fqmagazine.jp/tag/fathering/
●「イクボス集中講座」記事一覧
https://fqmagazine.jp/tag/ikuboss/