iX-MEN養成講座 LESSON2 言葉に頼るな!
赤ちゃんとは五感でコミュニケーションをとれ!
2014/08/14
新米パパからよく聞かれるのが、「0歳でまだ言葉もわからない 赤ちゃんとどう接すればいいのか?」ということ。 そこで今回は、「言葉が通じない=意思疎通ができない」という思い込みをぶち破ろう!
新米パパからよく聞かれるのが、「0歳でまだ言葉もわからない
赤ちゃんとどう接すればいいのか?」ということ。
そこで今回は、「言葉が通じない=意思疎通ができない」という思い込みをぶち破ろう!
言葉より多くを伝える
非言語コミュニケーション
アメリカの心理学者、アルバート・マレービアン博士が行った有名な実験がある。
「マレービアンの実験」と呼ばれるその実験によれば、人間同士のコミュニケーションにおいて言葉の果たす役割はたった7%に過ぎないということだ。残りの93%は、顔の表情や声の質など、非言語の方法によって情報を伝達しているという。いわゆる「行間を読む」部分がコミュニケーションの本質だということがわかったのだ。
なのに、特に男性はコミュニケーションを言葉に頼りすぎる。
だから言葉を理解しない赤ちゃんを前にするとどうしていいのかわからなくなってしまう。
一方、赤ちゃんは言葉がわからないからこそ、五感のセンサーをフル稼働してパパやママとコミュニケーションをとろうとする。パパとママの表情をのぞき込み、声を聞き、匂いを嗅ぎ、抱かれ、ときにぺろっと味見してみたりする。そのときに、パパがキョトンとしていたら赤ちゃんは「コイツ、話しが通じねぇヤツだなぁ」と思うワケだ。だから特に子供が言葉を理解しないうちは、五感センサーをフル活用すべし。自分の五感を研ぎ澄まし、赤ちゃんの五感を刺激しまくれば、iX-MENとしての能力も向上する。
子供が嬉しそうに手を叩いていたら、同じように嬉しそうな表情をして手を叩こう。言葉にならない言葉を発して何かを語りかけていたら、「うんうん、そうなんだ〜」と上手に相づちを打ってみよう。すると子供はますます大きな声で嬉しそうに何かを話し始めるはずだ。
五感センサーの感度が上がると、さらにハッピーな副作用もある。妻のご機嫌も敏感にも察知できるようになるのだ。家庭内危険予知に役立ててほしい。
臭覚
赤ちゃんを懐に抱き寄せ、パパの臭いを胸一杯嗅がせよう。パパに抱かれる楽しさ、安心感とともにパパの臭いがすり込まれ、パパの臭いを嗅ぐだけで楽しく、安心できる気持ちになってくれるようになる。
触覚
とにかくスキンシップ。ハグしたり、ほおずりしたりして、パパのぬくもりやごつごつした感じを伝えよう。お風呂はもちろん、おむつ替えだってスキンシップの貴重な時間だから進んでやろう。
視覚
いろんな表情を見せてあげよう。にらめっこのようにいろんな顔を見せ合うだけでコミュニケーションになる。赤ちゃんのしぐさや表情をまねしてあげることも大切だ。赤ちゃんは「通じた!」と感じてくれる。
聴覚
意味はわからなくてもいいからたくさん語りかけよう。歌を歌ってやってもいい。また、赤ちゃんが言葉にならないことばを発していたら、あたかも意味がわかるかのように頷いてあげると赤ちゃんも喜ぶ。
味覚
妻のように乳首を差し出すわけにはいかないのが男性のつらいところ。でもめげることはない。赤ちゃんはなんでもなめて確かめる。指先、鼻の頭などをペロペロなめだしたらしばらくなめさせておけばいい。
育児・教育ジャーナリスト
おおたとしまさ(TOSHIMASA OTA)
株式会社リクルートを経て独立。男性の育児・教育、子育て夫婦のパートナーシップ、無駄に叱らないしつけ方、中学受験をいい経験にする方法などについて、執筆・講演を行う傍ら、新聞・雑誌へのコメント掲載、ラジオ出演も多数。
おおたとしまさの著書一覧
Illustration >> KOUICHI KITA
Text >> TOSHIMASA OTA
※FQ JAPAN vol.20(2011年秋号)より転載
(2014.8.14up)