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【専門家が解説】国際教育を始める親が知るべき6つの心得。学校選びやスタイルの違い

国際教育を検討しはじめても、いざとなると「うちの子に向いている?」「どんな学校を選ぶ?」などと迷いも生まれるもの。国際教育評論家である村田学さんに、国際教育を始める前に親が知っておくべき心構えを聞いた。

<目次>
1. 国際教育をはじめる前に親が知っておきたい6つのこと
2. 教えてくれた人

 

国際教育をはじめる前に
親が知っておきたい6つのこと

「グローバル化が進む現代、子どもの選択肢を広げたい」と国際教育を検討しはじめたパパ、ママもいるかもしれない。しかし、いざとなると「うちの子に向いている?」「どんな学校を選ぶ?」などと迷いも生まれるもの。ここでは、国際教育評論家である村田学さんに、国際教育を始める前に親が知っておくべき心構えを聞いた。

1 子どもの趣向や性格を観察しよう

うちの子は規律派? 自由派? 探究派? 暗記派?
学校によって風土はさまざま。大別すると、規律を重視するイギリス系、自由で伸び伸びしたアメリカ系、数学に強いインド系、探究型の国際バカロレア系がある。どこが合うのか、子どもをよく観察して候補を決めよう。「YouTubeで何を見ているか」「長期休みの宿題をどう進めるか」なども判断材料だ。自由研究から始める子は探究型、ドリルから片付ける子は暗記型が多い。また、親子は似るもの。自身の学生時代の学習スタイルも参考に。

2 学校見学で「答え合わせ」をしよう

子どもの目の輝きや反応を最優先に
学校の候補を決めたら、お子さんと一緒に足を運び、どんな反応を示すかを確認しよう。インド系の算数教材に目を輝かせるか、イギリス系の制服や規律正しい様子に憧れるか。親の理想と子どもの適性を「答え合わせ」するのが重要だ。また、幼稚園・小学校は学校選びに子ども自身の意見は少ないことが多いが、中学・高校では子どもの希望や意見を積極的に聞いて、取り入れよう。

3 情報収集のルールを知ろう

生の声を聞く機会を!
学校説明会、ネット検索、メディア記事だけでなく、実際に通っていた生徒の保護者やOBの「生の声」を集めよう。おすすめは学園祭やホームカミングデーへの参加。さまざまな関係者と話せる機会がある。注意したいのは、同じ塾や学校のママ友・パパ友に聞くと、ライバル心によりバイアスがかかることも。客観的な情報を得ることが重要だ。また、訪れる際は服装が悪目立ちしないよう、パンフレットなどを見て学校の雰囲気に合わせよう。

4 奨学金制度を活用しよう

社会に認められる経験も財産に
短期留学や国際教育プログラムには、意外に多くの奨学金制度がある。金額は小さくても、作文を書くだけで応募できるものも。ここで重要なのは、選ばれることで子どもが「社会に認められた」という自信を得られることだ。落ちても挑戦した経験が財産として残るので、親が積極的に情報収集して「こんなのあるみたい」と気軽に提案してみよう。それで子どもが断っても、そんな選択肢があることを知るだけで価値がある。

5 英語とともに母語も育てよう

「抽象的な思考」はどの言語で行うかを決める
国際教育をする上で決めておきたいのは、子どもの「思考言語」を明確にすることだ。小学校中高学年になると「私って何?」「生きることとは?」といった哲学的な思考が始まる。この時に使う言語が曖昧だと「言語化できない感情」が増え、子どもが苦しむことに。家庭では日本語で話し、日本昔話や図鑑を一緒に読むなど、文化的背景も含めて言語の根を深く育てる意識を持とう。

6 「国際教育」と「国内教育」の違いを理解しよう

焦らず、学習スタイルを受け入れる
日本の教育は「暗記3:探究1」、インターナショナルスクールは「探究3:暗記1」の比率が多い。そのため、算数の進度が遅く見えても、それは探究的に概念を理解しているから。親が焦って暗記型のドリルを足してしまうと、せっかくの探究的思考が混乱することがある。到達点は同じなので、学習スタイルの違いを理解して見守ることが大切。心配なときは自分たちだけで判断せず、まずは学校に相談を。

教えてくれた人

国際教育評論家

村田学さん


The International School Times編集長/International Education Lab所長。アメリカ生まれ、日本育ちの帰国子女。プリスクール、インターナショナルスクールの経営などを経て国際教育のシンクタンクInternational Education Labの所長を務める。国内外のインターナショナルスクールの日本開校のコンサルティングなどでも活躍している。

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文:笹間 聖子

FQ JAPAN BABY&KIDS VOL.73(2025年秋号)より転載

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