【赤ちゃんのスキンケア】乾燥対策を学ぼう! 発疹が出たら薬を使う?
2022/11/25
冬が近づいてくると気になる、肌の乾燥。特に赤ちゃんの肌は敏感なため、日ごろからしっかりとしたケアが重要だ。ここではスキンケアの基礎知識をご紹介。もしものときも 慌てず対処ができればママも安心させられるだろう。
日頃の保湿習慣が
赤ちゃんの肌を守る
赤ちゃんの湿疹が乳児湿疹なのか、アトピーなのか、気になるパパも多いと思います。アトピーなら一生治らないのではないかと不安になることでしょう。アトピー性皮膚炎とは『掻痒感(そうようかん)のある発疹がよくなったり悪くなったりすることを一定期間(乳児だと2ヶ月、幼児以降は6ヶ月)繰り返すこと』とされています。
赤ちゃんにとって掻痒感のある発疹が出ている状態はとても不快ですし、食物アレルギーの原因にもなるので、早い時期に小児科を受診することが望ましいです。乳児期のアトピー性皮膚炎は適切な治療が行われた場合、3年以内に50~70%が改善する一方、発疹はひどくなればなるほど、治るまでに時間がかかるものです。
早めに薬を塗ることがとても大切なのですが、日々の『保湿』を続けることも、悪化を予防するためには重要です。また、保湿により皮膚のバリア機能が保たれていれば、とびひや水いぼの予防にも繋がります。適切な処置を行うためにも常に赤ちゃんの肌の変化を見逃さないよう心掛けましょう。
薬を使うときに
気をつけること
1 薬を塗るときは厚く
指の第一関節1本分の量の外用薬を、手のひら2枚分のスペースに広げます。塗った場所にティッシュがはりつきベタベタするほどたっぷり厚く塗りましょう。薄く伸ばしてしまうと、炎症を起こしている皮膚の部分に薬が十分にのらず、ぶりかえしやすくなります。
2 炎症がひどい時はカバーを
軟膏を塗った後にガーゼやリント布でカバーを。保護すると掻き壊しによる肌のダメージを軽減。1日2回たっぷりと薬を塗り続けていくと皮膚の状態はめざましく改善します。発疹がよくなったら、塗る頻度を1日1回から1日おき、週2回とゆっくり減らします。
3 爪はマメに切る
大人は肌を掻き壊してしまうと後が辛いことを知っているので我慢できますが、子供は肌がかゆいと力のかぎり掻きむしります。また、大人より細い指で強い力で掻き壊すと、肌のダメージは大きなものとなるので、爪をマメに切る習慣をつけましょう。
乾燥対策Q&A
Q 保湿剤はどう選べばいいの?
A 赤ちゃんの肌はとてもデリケート。低刺激で赤ちゃん用の製品を選ぶことが大切です。主な種類としては、赤ちゃんが動き回る時期に適しているスプレー、サラサラしていて薄くのばしたり広げやすいローション、保湿力が高い軟膏(クリーム)があります。用途に合わせて選びましょう。
Q 塗り方のコツは?
A 手のひらで優しく、くるくる撫でるように塗ります。ごしごしと擦り込んでも保湿剤は浸透しないので、肌の表面に膜をつくるイメージで広げてあげましょう。ただ長軸方向に伸ばすのではなく、肌のキメに沿って保湿剤が入るように塗っていくのがコツです。
Q 保湿のタイミングは?
A まずは、起床時。朝の保湿はバリア機能を1日中強化し、乾燥予防が期待できます。次に、お風呂上り。タオルでしっかりと水気をふきとり、早めに保湿することが大切です。そしておむつ替え後。赤みがある時は早めに保湿剤(ワセリンがオススメ)で保護を忘れずに。
教えてくれた人
阿真京子
三児の母。特定非営利活動法人日本医療政策機構フェロー。一般社団法人日本医療受診支援研究機構理事。東京立正短期大学幼児教育専攻科非常勤講師。2021年、WEB上で「子どもと医療」プロジェクトをスタート。著書にFQ JAPAN増刊『親と医師で考えた 病院に行く前に知っておきたいこと』などがある。
Webサイト『子どもと医療』
文:阿真京子
監修:アルパカ小児科耳鼻科クリニック 小児科医・藤原摩耶先生
FQ JAPAN VOL.64(2022年秋号)より転載