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パパしか味わえない幸せがある。心打つ父子愛の映画『旅立つ息子へ』3/26全国公開

父親としての実感がなかなか沸かない……そんなパパやプレパパにこそ観て欲しい映画がこの春公開される。世界中で感動を呼んだ、実話に基づく父と息子の絆の物語だ。

パパにこそ観てほしい映画

子供を授かった喜びの一方で父親になったという実感はなかなか湧きにくいもの。妊娠・出産を身をもって経験するママとの間に生じる気持ちのギャップは、“産後クライシス”を引き起こす大きな一因にも。

しかし、子供とパパの絆や愛は、ママとのそれに勝るとも劣らぬ深さを持ちうる。それを映画の世界で描いた作品が2021年3月26日に全国公開される『旅立つ息子へ』だ。

©︎ 2020 Spiro Films LTD.

実話に基づく父と息子の絆の物語。パパはもちろん、戸惑いを感じているプレパパにも特におすすめのストーリーを紹介しよう。

巨匠が描く“父親の愛”

愛する息子のためにキャリアを捨て、子育てに全てを捧げてきた父。父子2人の充実した日々を過ごしてきたが、ある出来事を機に2人の人生は大きく動き始める。それは自閉症スペクトラムを抱える息子が巣立っていくために必要な試練でもあった――

©︎ 2020 Spiro Films LTD.

監督はイスラエルを代表する巨匠ニル・ベルグマン。東京国際映画祭で、長編デビュー作『ブロークン・ウィング』(02)と2作目『僕の心の奥の文法』(10)が続けてグランプリを受賞。本作では、イスラエル・アカデミー賞にて監督賞はじめ4部門受賞するなど高い評価を獲得している。

『旅立つ息子へ』には各界の著名人からも賛辞が寄せられている。詩人の谷川俊太郎氏は、「映画を観たというより、この父と子の現実を生き、きつかったけれど豊かな時間だった」とコメント。

医師であり作家の鎌田實氏は「心の底から温かくなる映画。ドタバタの逃避行が何かを変える。エンディングはジーンとくる。“よくやった”と必死に生きる2人に思わず拍手。感動、感動!」、「荻上チキ・Session」パーソナリティの荻上チキ氏も「文字通りの凸凹コンビによる、長く静かな旅。いずれ親子は、“繋がり方”を見直す時を迎える。痛いほどの喜ばしさ、そして切なさ。」と、感動を伝えている。

兄弟誌「FQkids」にも登場いただいた育児・教育ジャーナリストのおおたとしまさ氏は、「子育てとは、子供にとっての自分の価値を毎日少しずつ減らしていく逆説的な営みである。ゆえに、親として最も幸せな瞬間は、親として最も寂しい瞬間にやってくる。すべての子煩悩な親に見てほしい、子育ての“幸せな逆説”が凝縮された作品」と、力強い言葉で同作品をパパママへ推している。

©︎ 2020 Spiro Films LTD.

父親はゆっくり育つ

映画公開に先立ち、「旅立ちと共感」をテーマにしたイベントも4日間開催。3/15(月)には「NPO法人スーパーダディ協会」コラボの“パパの語り場オンライン座談会”が実施される。書道家・武田双雲氏と青山「TheBurn」シェフ・米澤文雄氏も登壇し、父親ならではの子育ての悩みについて語り合うことができる。

子供が生まれるからといって、すぐに父親になれるわけではない。不安や葛藤を経て、子供が巣立てるようになったとき、やっとなれるものなのかもしれない。それでも、ママと気持ちの足並みを揃えることは大切。映画と座談会をヒントに、父親になることについて考えてみてはいかがだろうか。

DATA

『旅立つ息子へ』
3月26日(金)TOHOシネマズシャンテほか全国公開

監督:ニル・ベルグマン
脚本:ダナ・イディシス
出演:シャイ・アヴィヴィ、ノアム・インベル、スマダル・ヴォルフマン
日本語字幕:原田りえ
配給:ロングライド


文:平井達也

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