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インタビュー

“頼ってもらえる父親”になるために、中尾明慶が大事にしている言葉がけとは?

俳優はもちろん、最近ではYouTuberとしての顔も持ち、多岐にわたって活躍中の中尾明慶さん。忙しい中での親子のコミュニケーション方法や、理想の父親像などについてインタビュー。

第一優先は家族
趣味は子供も巻き込んで

25歳と若くして父親になった中尾明慶さん。小学1年生になった息子さんや妻で女優の仲里依紗さんと記念日などを祝う仲睦まじい様子がたびたびインスタグラムに投稿され、その姿に理想の夫婦像や家庭像を重ねる人も多い。

「家族を持ったからには、僕の人生の第一優先は間違いなく、家族です。もちろん、役者としてこういう作品に出たいとか、あの監督と仕事をしたいという欲はあります。独身の時はそれが頭の中の大部分を占めていましたが、家族ができてからは、家族のことを第一に考えて生活するようになりました」。

中尾さんといえば、鍛え上げられた肉体の持ち主としても知られ、10年目を迎えるレース番組のMCをはじめ、今年4月からは週2回更新で、YouTubeを始めるなど趣味や活動の幅も広い。

「子供がいるからできないや、ではなくて、自分の趣味に子供を巻き込んじゃってます。僕は車も好きだから、息子も小学1年生になったし、そろそろ助手席に座らせて2人きりのドライブにも行けるかなとか、そういうことを考えているだけでも楽しいですしね。実際、ドライブに誘ったら、家でゲームしたいって言われそうだけど(笑)。そこは、なんとしてでも付き合ってもらうつもりです」。

息子が成長するごとに
男同士の時間が楽しみに

日々の子育てでは、どう頑張っても母親にかなわないことがあるけれど、子供の成長に合わせて、父親にしかできないことが増えてきたのが嬉しいという。

「生まれてすぐは、本当に何をしていいかわからなくて。生後半年で保育園に入園できたけど、妻が仕事の週末は、僕1人でお世話っていうのも経験しました。でも、冷凍した母乳を温めても哺乳瓶からじゃ飲まないとか、抱っこひもも僕じゃ居心地が悪いのか、バスの中で大泣きされたり。もうこれ、母親じゃないと無理じゃんっていうことの連続で、本当に苦しすぎて、知恵熱出ましたから(笑)。

だけど、年々、意思の疎通ができるようになってきて、『好きな子できた?』なんて聞ける年齢にもなって、男同士の時間がどんどん楽しくなってきていますね」。

男同士の会話が繰り広げられるのは、通学路の送り迎えの10分やお風呂の中が多いそう。

「ついこの間、夜中に『洗濯カゴにダンゴムシがいる!』って妻に叩き起こされたんですよ(笑)。男の子って、あとで自慢しようと思うのか、ポケットに何でも入れるじゃないですか。翌朝、息子に確かめたらニヤッとしてて(笑)。自分も通ってきた道だから、想像ができるし理解もできる。

だからこそ、これから成長していく過程で、本当に困ったことがあったときに、『父ちゃんなら絶対に助けてくれる』って息子に頼ってもらえる父親でありたいな、というふうに僕は考えていて。そのためにも、息子の今を知っておきたくて、毎日、通学路や風呂の中で『今日、どうだった?』って聞くし、機会があるごとに『困ったことがあったら何でも言えよ』って、言葉にしてちゃんと伝えてもいますよ」。

子供の“はじめのいっぽ”を
全力でサポートしたい

友達とのケンカ、悪気なくついてしまったウソ。中尾さんがナレーションを務め、9月から第2シリーズの放送が始まるアニメ『かいじゅうステップ ワンダバダ』では、子供たちが経験する「はじめのいっぽ」を、こどもかいじゅうたちの日常を舞台に、丁寧に描いている。

「ケンカしたらごめんねって言おうねとか、当たり前だけど、とても大切なメッセージを伝えてくれるアニメなので、親としても子供に安心して見せられます。僕は、アニメも含めてテレビ番組はコミュニケーションのきっかけだと思っているので、子供が『かいじゅうステップ ワンダバダ』を見ている5分間だけは、仕事や家事をしている手を休めて親子で一緒に見る。夕食のときにそこから話題が広がっていったら、すごく嬉しいなって思います」。

子供にとっては不安の多い「はじめのいっぽ」を見守り、サポートするのも、大切な親の役割のひとつ。

「友達とのコミュニケーションもそうだけど、成長する過程で、自転車や縄跳び、自分の頑張りでしか乗り越えられないことにもたくさん出合うじゃないですか。でも小さいうちから、できないと諦めてしまう癖はついてほしくないので、はじめて経験することにはできるだけ僕が立ち会って、『ダメだ。できない』となったときに、もう一度やる気を取り戻せるよう、たくさん言葉をかけています。

そこで諦めなかった経験や『できるようになった!』という成功体験は、やっぱり大事じゃないですか。子供の成長は本当にあっという間だから、親としてそのときできることには全力で向き合いたいですよね」。

DATA

「かいじゅうステップ ワンダバダ」第2シリーズ
NHK Eテレにて毎週金曜 午後5時20 分~5時25分 放送中!


とおい宇宙のかなた、K10星雲チョーチイ星。こどもかいじゅうは、流れ星に願いごと。すきなもの、やりたいこと、かなえたい夢、いっぱいあるよね。大きな願い、かなえよう。合言葉は、「かいじゅうー! ワンダバダー!」

キャスト:久野美咲 福圓美里 真堂圭/田中裕二 のん 金田朋子 飯田里穂 ほか
ナレーション:中尾明慶
製作:円谷プロダクション・NHKエンタープライズ

©TPC ©KSW

 

PROFILE

中尾明慶
1988年、東京都生まれ。ドラマ「3年B組金八先生」でデビュー。主な出演作は「WATERBOYS2」「ROOKIES」、映画『時をかける少女』など。今秋スタートのドラマ「監察医 朝顔2」(CX)にも出演。現在は役者として映画やドラマに出演することは勿論、レース番組のMCや、週に2度更新を続けるYouTuberとしても活躍中。2013年に女優の仲里依紗と
結婚し、同年第1子となる男の子が誕生。


写真:SATOSHI KANEKO
文:YUKI IMATOMI

FQ JAPAN VOL.56(2020年秋号)より転載

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