2020年は子供の教育が進化する!? 「生きる力」を育む時代が到来
2020/02/03
今年は小学校で新しい学習指導要領の運用が始まり、教育改革が大きく動き出す。英語が教科化され、プログラミングが必修化される。また、どの教科でも「自ら考え、対話しながら学んでいくこと」が重視される。パパママは子供をどうアシストしたらよいのだろうか。
新指導要領で小学校が変わる!
昨年、大学入学共通テストをめぐって大きな混乱が見られた。英語の民間試験導入や国語と数学の記述問題が先送りとなった件だ。拙速だったとしか言いようがないが、それも、大変なスピードで動いている世界に教育がついていけていない現れだろう。
グローバル化やITの進展など、変化をやめない世界に対応できるように子供を教育していく責任が、大人にはある。小学校で来年度から運用される新学習指導要領は、そうした背景をふまえたものだ。
教育は学校のみで行われるものではもちろんない。学校外で、パパママ、地域がどう子供に関わっていくかも重要だ。
たとえばすでに大きな教育の要素となっているものに、習い事がある。小学校教育が変わることを見据えて、パパママの習い事についての意識にも変化があるようだ。
習い事への期待も教育改革を反映
e-ラーニングに関するコンテンツを展開する株式会社イー・ラーニング研究所は、2017年から習い事に対する意識を調査するため、パパママを対象に「年末年始の子供の習い事アンケート」を実施している。今年初めに発表された直近の結果が興味深いものとなった。
2019年に保護者間で話題になった習い事を尋ねたところ、1位がプログラミング教室、僅差の2位が英会話スクールだったのだ。新学習指導要領を敏感に反映した結果といえよう。
2020年にどんな習い事をさせたいか、という問いに対する答えも、ほぼ同様となった。ユーチューバー、Vチューバーの勉強をさせたいという回答も無視できない数に上っている。
なぜその習い事をさせたいのかを質問した結果として、1位は「将来のためになると思ったから」、2位が「2020年の教育改革に向けて」という答えだった。
子供に就かせたい職業1位は?
パパママたちはわが子の将来をどう展望しているのだろうか。同じ調査では、子供に就いてほしい職業も尋ねている。結果が下だ。
1位の「経営者」というのはいわゆるIT社長のようなイメージではないだろうか。それも含めて、さらにIT化していく世界で活躍できる人間に、という期待が感じられる。
しかし、今後のイノベーションに楽観ばかりはしていられない。ベストセラーとなった『ホモ・デウス』で著者のユヴァル・ノア・ハラリは、AIやバイオテクノロジーの進化により、世界が猛烈な格差社会になることを危惧している。
わが子に望む将来とは決して「寂しい勝ち組」ではなく、暖かい関係性の中で他者とともに生きられることなのではないだろうか。そのために子供時代につけておくべき力とは何なのか、考えてみてほしい。
DATA
Text:平井達也