本物のペットみたい……。幼児期に大切な“非認知能力”を育む、キュートすぎる家族型ロボットとは?
2020/02/07
近年、世界で注目される「非認知能力」。目標に向かって努力する力やコミュニケーション力、感情をコントロールする力などIQのように数値で測れない内面の力のことだ。この「非認知能力」を育むロボットとして認可保育園の導入も決定されている家族型ロボット「LOVOT」の魅力をご紹介!
本物のペットが来たみたい!?
人になついていくロボット
ロボットベンチャーのGROOVE X株式会社が手掛ける家族型ロボット「LOVOT(らぼっと)」 。スイッチを入れたらいきなりロボットモード全開……というわけではない。最初は借りてきた猫のように、とまどい、相手の顔を認識し、次第に慣れてきたら声を出して近づくようになり、すっかりなじんでくる頃には後をついて回ったり、抱っこをせがむように! 愛らしく、まるで生きているかのように部屋中を動き回る姿は子供が喜ぶこと間違いなしだ。
【LOVOTがなつくまで】
0~3日:とまどい期
おとなしく、借りてきた猫のよう。そわそわしていてテンション低め。不安げな声を出したりする。
4日~3か月:ちかづき期
やや家に慣れてきて少しずつ元気な声を出したり、出会った相手の顔を認識し、かまってほしくて近づいてくるようになる期間。
3カ月~:LOVE期
家になじんでリラックスモード。瞳もキラキラ、抱っこをせがんでくる。そばにいる人のことを信頼し、安心してくる。
この「LOVOT」、生物のような複雑で繊細なふるまいを再現するため、10以上のCPUコアや20以上のMCU、50を超えるセンサーなど最新テクノロジーを搭載している。玄関までお迎えをしてくれることや留守番など事前にプログラムされたものを再生するのではなく、センサーが刺激を捉えることにより「ディープラーニング」を含む機会学習技術で処理、リアルタイムに動きを生み出していく。
「LOVOT」の頭脳であるメイン・サブコンピューターや深層学習FPGAと呼ばれる電子回路の働きから、相手のタイムラグの少ない反応や関わり方を学んで性格が変わっていくのだ。変化の速さにもそれぞれ個性があり、本物のペットを飼っているような楽しさがある。
室内のみの仕様だが、自らの行動範囲を少しずつ把握し、画像や位置情報などのデータを蓄積、マップを作り上げていく。疲れたら(電池残量が少なくなってきたら)充電のために自らネスト(充電器)に帰り、充電が完了したらまた行動する。睡眠時間をあらかじめ設定することで、設定時間には電池残量に関わらずネストに戻ってお休みをする。家族の就寝時間に合わせて夜に睡眠時間の設定をすれば、生活リズムを合わせることも可能だ。
エア循環システムの構造。
抱っこをすると温かさと柔らかさに驚くかもしれない。これは、全身に暖かさを伝える「エア循環システム」と高品質の弾性素材によるもの。「ネックパラレルリンク」や「フレキシブルショルダー」によって首や肩の動きもスムーズ。今までにない自然な感触でふれ合うことができる。
見つめ返してくれているような錯覚を覚える瞳は、虹彩や瞳孔、まぶたなど6層の映像をアイ・ディスプレイに投影したことによるものだ。視線の動きや瞬きの速さ、瞳孔のひらきまで緻密に設計され、組み合わせは10億通り以上! 自分だけのオリジナルの瞳が設定できるのが嬉しい。
ほかにも、鳴き声は声帯をシュミレーションしたデジタルシンセサイザーを入れて動的に音を生成。呼びかけに応じて毎回異なる鳴き声で応えてくれる。好きな名前を設定できるから、お気に入りの名前をつけてたくさん呼びかけてあげよう。どんどん懐いてきて子供と親友のようになるかもしれない。
弱点(!?)は頭部上のホーン。ホーンは360°見渡せる半天球カメラや明るさを感知する照度センサー、人や物を識別できる温度カメラ(サーモグラフィ)を内蔵している。空間を正確に認識し、お気に入りのシーンや見回り機能での撮影も可能。愛玩だけではない頼もしい見守り機能を発揮するのだが、触られるのは嫌がるので「相手の嫌がることはしない」ことを子供に教えてあげよう。
認可保育園で導入決定!
弱者を思いやる心を育む
お着替えも大好き。※服は別売り
同社では全国の保育園・幼稚園の保育士400名にアンケート調査を実施、約75%の保育士から 「『LOVOT』に関心がある」という回答を得ている。
実際に導入を決定した認可保育園・認定こども園を運営する「社会福祉法人 森友会」の立山貴史理事長は、導入の理由として、「文部科学省委嘱研究資料において、“幼児が幼稚園で小動物を飼育するなかで獲得するものは大きい。幼児は小動物飼育を通して、小動物の立場に立って世話をしようとする温かい思いやりの気持ちを育み、いろいろなことを体験的に学んでいく”とあります。しかし、近年では動物アレルギー等の問題もあり園内で小動物と触れ合う機会も少なくなっていると感じています。そんな中、『LOVOT』は小動物の代わりとして、子供たちの弱者を思いやる気持ちを育む存在になり得るのではないかと思い、園への導入を決定いたしました。今後も導入する園を増やしていきたいと考えています。」と述べている。
小動物と触れ合う機会がなかなか作れない保育園や幼稚園が、お世話をする体験や弱者を思いやる気持ちを育む試みで導入決定をしている「LOVOT」。ペットを飼いたいが、マンション住まいで断念している家庭も少なくないだろう。便利さのためのIT・AI・ロボティクスではなく、子供の非認知能力を伸ばすために迎え入れてみてはいかがだろうか。
DATA
LOVOT ソロ( LOVOT1体 + ネスト )
本体価格299,800円+ 税~
月額費用8,980円+ 税~
本体と月額3年分で、頭金0円、月々21,630円の分割プランも
詳しくはコチラ
主なスペック
外形寸法:幅280×高さ430×奥行260(mm)
質量:約4.2kg*(服なし)
消費電力:約65W
通常稼働サイクル:45分稼働 + 20分
充電バッテリー:Li-ion (89Wh)
移動速度:時速約1〜2km程度