子育て世帯に嬉しい施策ランキング1位は……? 高い満足度の秘密も明らかに
2019/12/22
幼い子供を持つパパママが暮らしやすい街をつくるために、各自治体が知恵を絞っている。子育て世帯にとって嬉しい施策とはどのようなものだろうか。アンケート結果から人気施策のランキングが明らかになった。あなたは住む街の状況を知ってる?
人気制度の1位はちょっと意外な……?
「生活ガイド.com」は、株式会社ウェイブダッシュが運営する地域応援サイトだ。このサイトが会員に、「子育て世帯にうれしい制度ランキング」を募り、トップ5を発表した。結果は次のとおりだ。
堂々の1位は「屋内大型遊具がある施設の整備」だ。いわゆる「ハコモノ」は時代遅れなのかと思いきや、ハード面の充実に期待が寄せられていることがわかる。
施設の整備を望む声とはどのようなものなのか、アンケートには生の意見も寄せられている。
40代女性:子供と家にずっと二人でいると沈むので、有料でもよいので屋内の遊び場があるとうれしいです。
50代男性:子供が自由に遊べる広場や公園が少ないので良いと思います。更に全天候型ともなると言う事なしです。
以上のように、天候にかかわらず親子で地域の人たちと交流したいという願いを汲みとることができそうだ。
魅力的な施設には理由があった!
大型遊具がある屋内施設の一つが、山形県東根市の東根市さくらんぼタントクルセンター内遊びセンター「けやきホール」だ。子育てのほか、文化施設、保健福祉施設、コミュニティ施設の側面を持っている。
多世代に見守られながら地域で親子が暮らしていけるように、というコンセプトを読み取ることができる。また、子育てに関する行政の窓口をさくらんぼタントクルセンターに集約し、妊娠、出産、育児の切れ目ない支援が行われている。
建設にあたっては、市民との意見交換会を10回実施し、積極的に意見を取り入れられた。その際関わった市民の数人が、自ら発起しNPOを立ち上げ、思いを実現すべく、現在、運営に携わっているのだ。
利用者からはこんな声も寄せられている。
「5歳の娘と1歳の息子の母です。転勤や帰省で複数の都道府県で生活経験があり、各地の子育て支援施設を利用してきました。様々な面から考えて、けやきホールは居心地の良さNo.1です。その理由は館内の環境と雰囲気の良さだと思います。
まず、環境。外壁がガラスなので、明るく暖かな陽射しが降り注ぎます。3階までの吹き抜けを活かした大型遊具や長いスロープがあるので、見た目以上に広く遊べます。
次に、雰囲気。禁止事項等の張り紙は少なく、良い意味でゆるい雰囲気で自由度が高いです。自由参加のイベントも日常的にあり、子供も大人も友達を作りやすい雰囲気です。
そして、その居心地の良さを支えてくれているのがスタッフさんです。子供にも保護者にも寄り添い、共に活動したり支援してくれたりするので、その存在に救われている保護者は少なくないと思います。これこそが他にない最大の魅力かもしれません」
公共施設再編が始まっている!
人気施設の秘密は、建設過程から市民の声を反映したこと、開設後はスタッフがきめ細かく利用者に関わってきたことにあるのだろう。
実は現在多くの自治体で、高度成長期に多く建設された公共施設が老朽化を迎え、施設のあり方が見直されている。国も自治体に対して「公共施設等総合管理計画」の策定を求めていて、あなたの住む街でも動きは始まっているはずだ。
そうした中、子育てを地域で支える基盤がどう変わろうとしているのか、関心をもって見守ってほしい。
DATA
Text:平井達也