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子供に教えたい”オモシロ歴史”! 日本で初めて「保育園」をつくったのは誰?

日本に初めて保育園を作り、「保育」という言葉を作った人物。それは佐竹音次郎という1人の男性だった――。子供と一緒に読みたい、おすすめノンフィクション絵本をご紹介!

保育園をつくったのは誰?
子供に聞かれる日が来るかも

今でこそ保育に携わるその多くは女性が占めているものの、その足がけとなったのは一人の男性だった。

令和の時代を迎えた今でも尚、「育児は女性がするもの」という考えをもった男性は少なくない中、その身を投じて保育に全身全霊を注いだ男性がいたのだ。

それは、佐竹音次郎という人物だ。四万十市の竹島に生を受けた彼は教師をする傍ら医術を学ぶべく上京し、その中で幼児教育の重要性に気付く。

自らの寂しい幼少時代の経験もあり、身寄りのない子供達を引き取り、「神に与えられた祝福された園(その)にて保(やす)らかに育てる」場所、「保育園」を設立した。

ここでいう保育園とは、今でいう児童養護施設である。彼は、自らの子供と身寄りのない子供達とを分け隔てなく育てる「聖愛主義」を掲げていた。

明治27年に医院を開業し、そこに「小児保育院」を併設する。後の日清戦争の最中、麻疹や水疱瘡等の流行り病で自らの子供を含む数名の児童を亡くしてしまう。

保育は本業の片手間でやる事ではないと判断した彼は廃業し、鎌倉へ移り住み、「鎌倉小児保育園」を開設。現在の鎌倉児童ホームである。彼は医師として勤める中でキリスト教に帰依する。そこで「身を殺して仁となす」精神を身につける。

その中で育てられた音次郎の実子達も、彼の理念を理解し受け継ぎ、後継者となっていく。その業績は台湾・韓国・中国へも広がっていき、彼が救い育てた子供の数は、述べ5,571人にのぼる。



そんな彼の一生涯を描いたノンフィクションの物語が、新刊児童書本書『万人の父になる』だ。

明治・大正・昭和という激動の時代を保育事業に費やした彼の人生を支えた物は何だったのか、病に侵された彼のとった行動、多額の寄付・寄贈など経済的に支えてくれた数多くの名士の存在。

77歳で幕を閉じるまでの苦難と希望に満ちた人生と時代背景を、保育という視点から顧みることができる一冊となっている。

大人が読んでも興味がそそられる内容なので、ちゃっかり楽しめる。もちろん子供向けなので、読み聞かせる際は、「みんなが通っていた保育園は、この人が考えたんだよ」と教えてあげるとより関心を持ってくれるだろう。

パパやママも、子供に読み聞かせながら「親とは何か」「子供を育てるとはどういう事か」といったヒントを得られるかもしれない。



DATA

学研出版サイト

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