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妻「私ばかり悩んで苦労している…」全国のパパが気づかない夫婦の悩みとは?

共働き夫婦にとって、家事・育児シェアは大きな課題であり、それによるトラブルも多い。多くのママは爆発寸前、一方のパパは、戦々恐々の毎日を送っている。今回は、アドラー心理学のプロであり、MBAを取得した経営者でもある熊野英一氏と、そのストレスフルな日々の解決方法を考察した。

総務省の調査によると、共働き夫婦の割合が全体の50%近くにまで上昇している日本。家事や育児のシェアが謳われているが、思うように進んでいないのが現状だ。今でも多くの妻たちが、その不満を胸にくすぶらせている。
本シリーズでは、アドラー心理学にもとづいた「親と上司の勇気づけ」のプロフェッショナルであり、多くの企業で講演も行う熊野英一氏に、実際の夫婦の悩みを読み解いてもらった。熊野氏がひたすら優しく、柔らかく、時にユーモラスに対処法を提案する!

<今回のお悩み>

「夫婦間の話をする時間がなく、不満をぶつけられない」

夫はとにかく仕事が忙しく、平日はもちろん土曜も出社。早朝から子供が寝る時間まで仕事なので、子育てや家事はほとんどワンオペ状態。まずこの状態が不満だが、それを伝える時間がそもそもない。

先日、珍しく土曜が休みで夫が家にいたが、「せっかくの休みなのに、夫婦間の話をして疲れさせるよりも、家で休んだ方がいいだろう」と考えてしまい、やはり話をできないでいる。子供が小さいのでなかなか2人きりになれず、家事・育児や、私の働き方、実家の家族のことなど、山積した悩みや不満を全然話すことができない。

こんな状況だが、夫婦仲はよく、ケンカは全くしないので、夫は私がいろいろと悩みを抱えていることには、きっと気付いてないと思う。私ばかり悩んで苦労しているようで、どうしても不満がたまってしまう。 妻/30代(夫/30代、子供2人)



<解決策その①>

パンドラの箱に貯めこむ不満は
爆発する前に対処する

熊野氏:まずはねぎらいの言葉をかけたいですね。「ワンオペでの家事と育児、本当におつかれさま」と。

編集部:仕事もしながらなので、きっとすごく大変ですよね。

熊野氏:うん。でもご主人に少し気を使い過ぎな気もする。僕がこのお悩みを読んで気になったのが、「ケンカは全くしない」の部分。この奥さんはもしかしたら「相手が忙しそうだから」とか「疲れていそうだから」とか、自分に言い訳をつけるクセがついているのかもしれない。「このモヤモヤは、私が我慢すればいいんだわ」と自分に言い聞かせている。相手に合わせることで、パンドラの箱を開けない。そんな生き様を選んでるんだと思います。

編集部:女性には多いですよね。不満を溜めて溜めて…

熊野氏:そう、最後には暴発して、取り返しのつかないことになる場合もある。もちろん、現状でよしとするのか、主体的に改善に向けて動くのか、それを決めるのは奥さん自身です。でももし変えたいのなら、本音を話すことを恐れなくてもよい、と。

それとこのご夫婦は、旦那さんも話したがらない。責められることを予測して、本音で話すことを回避している気がします。

当たらず障らずを続けるのか、腹を割って話をするのか、これは夫婦の成長にとってかなり重要です。確かに、自分をさらけ出すっていうのはすごく勇気のいることだけど、ありのままを認め合う、素直に気持ちを言い合えるっていうのは、唯一無二のパートナーとなるために大切な過程だと思いますね。

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