【パパの育児奮闘記】ミルク? 眠い? 赤ちゃんが泣く理由とメッセージ
2018/12/04
大人にはわからない
赤ちゃんの悩み
でも、この平和もすぐに新たな泣き声によって取り崩されるんだけどね。まだそこまで大きくない赤ちゃんの場合、オムツを通して、うんちのにおいがすぐにわからないこともあるので、はたしてオムツを替えて欲しいのかどうかは、中身をのぞいてみるしかない。
実はオムツを交換するという行為自体が、赤ちゃんが泣く原因になることもあるんだ。外部の空気が敏感なお尻の感覚に大混乱を引き起こすこともある。僕の16秒の記録更新を狙うまでもなく、赤ちゃんの苦しみを最小限にするため、オムツ交換はできるだけスピーディに済ませたいところだ。
温度に対する敏感度は、べビーベッドに寝かせているときでも気をつけなければならない。包まれている感覚が胎内に似ているからか、赤ちゃんは毛布に包まれるのが大好きなんだ。でも、1枚の分厚い毛布を掛けるより、服や掛け物を、何層にも重ねて掛けてあげる方がいい。暑くなったり寒くなったりしたときに、微妙な温度調整に対応できるからね。
それから、新米パパが必ず直面する悩みとして忘れちゃいけない(というか忘れられない)のが「夜泣き」だ。赤ちゃんには「明るい」「暗い」くらいしか時間の感覚はないから仕方がないが、深夜2時、3時の大音響……これは独身時代には感じたことのない苦痛だ。
でも本当の意味で痛みを感じているのは赤ちゃんの方だったりするから注意が必要。
5人に1人の赤ちゃんは「コリック」という、腹痛とそれからくる夜泣きの症状にかかるという。いまだ原因不明のこの症状は、医療関係者によれば、消化器官がまだミルクの摂取に対処できないことが原因らしい。コリックの症状が出たときの絶対的な治療法はない。しかしこれは一時的なもので、長くは続かないのが救いだ。赤ちゃんが泣いているのに何もすることができないのはつらいけど、一過性のものなので安心してほしい。ママと2人で分担して根気強く抱っこしてやればいい。
ただ、たとえ4〜5キロくらいしかなくても、赤ちゃんを抱っこして何時間も立っているのは、体力的にも精神的にも疲れるもの。赤ちゃんは抱っこされるのが大好きだし、生後間もない赤ちゃんには、小刻みに揺らしたりすることで胎内環境を思い出させて、眠りを誘うこともできる。ソファに座って赤ちゃんを抱っこするときは、クッションを使って腕を支えて痛くならないようにするといい。あるパパたちは、寝ている赤ちゃんを腕に抱いて座っているときが、長い人生の中でも最高のひとときだったと恥ずかしそうに話してくれたよ。
泣いている我が子を
放ったらかす!?
さて、皮肉なことに、あまりにも頻繁に抱っこしたり、オムツを交換したり、キスしたり、揺さぶったりと、過剰に騒ぐのも余計に赤ちゃんを刺激することになって逆効果だってこともある。あんまりいじられるより、赤ちゃんはただ、ベッドに寝て天井の100Wの電球をひたすら静かに見ていたいだけかもしれない。もちろん、赤ちゃんが泣いているときに何もしないで放ったらかしにするなんて難しいとは思うけどね。
赤ちゃんが泣きやんだとき、30分もの間、泣く原因リストにある対処法を試みた君も彼女も、安堵のため息をつきながら、ただそっとしておけば良かったんだと思うだろう。そして、今度赤ちゃんが泣いたときは、落ち着くまで様子を見てみようと心に決めるのだ。
でも、そんな素晴らしい計画も結局は無駄に終わり、ひとたび赤ちゃんが泣き始めたら、君たちはまた同じ大騒ぎを繰り返す。まあ、それはしょうがないだろう。君たちは、少なくとも基本的な知識で武装して、新生児の赤ちゃんの面倒をみるチャレンジに果敢に挑もうとしているわけだ。あるときは試練で、またあるときは実に実りあるものとなるだろう。どんなときも、機転とユーモアを忘れないでいると断然楽になるはず。
赤ちゃんは、最高にチャレンジのしがいがあって、面白い生き物だ。赤ちゃんをとことん楽しんで、パートナーと一緒の人生を楽しんで、そして、父親の喜びを大いに楽しもう。
プロフィール
ジョン・スミス
世界的ベストセラーとなった「The Bloke’s Guide to Pregnancy〜野郎のための妊娠ガイド〜」の著者でもあり、英国版FQ をはじめ多くの育児雑誌でコラム等を執筆する。
Translation >> MIDORI MIURA
FQ JAPAN VOL.13より転載