怒るのはNG? 我が子に「食事のマナーと楽しさ」を身につけさせる方法
2018/09/18
我が子への食育で意識したいのは、マナーよりもまず"楽しく食卓を囲む"こと。自己中心的な思考や直感的な思考、自我意識が芽生える6歳までの時期は、親子で楽しい思い出を作ることがとても大切になっていく。
食事は育児の基本
褒めて教えて明るい食卓を
もう、「食べさせてもらう」時期は卒業。次のステップで意識していきたいのは、大きく次の2つだ。最初に教えるべき「食事のマナー」と、大切な家族のコミュニケーションの場としての「食卓の認識」。
これらを意識する事によって、子供は将来、自らが食生活をきちんと管理していくことのキッカケにしていく。たかが食事の時間といえども、あなどってはならないのだ。
最初に教えるべき
食事のマナー
最初に教えるべき大切なマナーとは、ズバリ「挨拶」。
「いただきます」「ごちそうさま」……我が子には、この2つのシンプルな言葉を、食前食後に当たり前のように言えるように導いてあげたい。そのためには、まず”親”が大きな声で言ってあげることだ。言うまでもなく、子供は親の真似をする。手本にすべき大人がきちんと挨拶をすれば、子供は自然と身につける。
“食前食後”の挨拶がしっかりできるようになったら、次は”食事中”のマナーだ。スプーンや箸を使って、自分ひとりで食べられるようにコーチングしてあげたい。
まずは、幼児にとって比較的なじみのあるスプーンから。スプーンはただすくうだけのシンプルな食器だが、やはり慣れない幼児にとっては難しい。最初のうちはポロポロ食物をこぼしてしまうだろう。あなたはここで叱らずに、やさしく我が子がスプーンを持つ手を包み込んで、口に誘導してあげてほしい。そのカタチを覚えていけば、徐々に自分で食べられるようになるはずだ。
スプーンに慣れたら次は箸にチャレンジだ。これについては、初めての子供でも持ちやすいように改良された「しつけ箸」というものが市販されている。子供たちにとって、箸は大人が思っているよりもずっと難しいもの。こういう便利なものは、ぜひとも利用すべきである。
ここで注意したい点がある。いくらマナーを教えるといっても厳しく叱ることは、絶対に避けてほしい。
「できないから叱る」ではなく、できなければ何度でも教える。「できたら、大げさなくらいに褒める」というスタンスが大切だ。子供のやる気を損なわず、楽しく覚えてもらうこと。食卓にイヤな思い出を植えつけてはツマラナイ。あくまで食卓は楽しい場所なのだ。
大切な家族の
コミュニケーションの場
さて、普段忙しい我々父親にとって「食卓」は、非常に貴重なコミュニケーションの場であることは言うまでもない。この先、何年も子供との距離を保つためにも、我が子に大切な家族のコミュニケーションの場としての「食卓の認識」を付けさせておきたい。
そのためには、今のうちから「パパとの会話は楽しい!」と、我が子に思わせる努力をすること。たとえば「今日はお母さんと何をしていたの?」と頻繁に子供に話しかけるといい。騒ぎながらの食事はマナー違反だが、家族と楽しむ程度の会話は全然オッケーなのである。
実際、日常のなかで家族が一同に揃って話をする時間という機会は、なかなか作れないもの。食卓は、子供のしつけから家族間の交流まで、多くのことがぎゅっと詰まった濃密空間なのだ。
Text >> YUKINOBU KATO
FQ JAPAN VOL.9より転載