パパが子供にできること、それは「興味開発」でやる気に火をつけること
2018/08/30
子供のモチベーションをあげるためにはどうすればよいか。その原動力は興味や関心。子供は興味開発を繰り返すことで、成長し続ける。本当になりたい夢に出会い、実現するため必要なプロセスだ。親としてできることを「探究学舎」の宝槻先生に話を聞いた。
親の願いは能力開発より
子供の興味開発だった!
好きなことを見つける──。それが“興味開発”。
「今までそんな言葉、聞いたことない? それは僕の造語ですから(笑)。今の教育、たとえば水泳やピアノ、英会話といったお稽古ごとの99%は能力開発。僕の場合は、ALという手法を使った興味開発なんです」。
見学に来た親に、開発するのは能力ではなく興味ですよと言うと、学校の成績は良くならないのか……とがっかりして帰ってしまう人もいるという。
「一方で、子供の顔があまりにも輝いたので即決し、子供以上にファンになる親御さんもいます」。
東京 三鷹に1つしかない小さな教室にも関わらず参加者は年間2000人に上る。“子供が輝く魔法の授業”とも呼ばれ、勉強が嫌いな子も、人見知りする子も、不登校の子も目をキラキラと輝かせ、どんどん手を挙げ始める。
「子供の目が輝くのがゲームとかじゃなく、歴史やサイエンスだったら、親にしてみたら喜ばしいことですよね」。
興味開発
時代の変化とともに、最近の親が持ち始めた願い。好きなこと、興味にあることを追求し、それを仕事もさせたいと考える。
その場合、好きなことを見つける機会を与え、興味の追求をサポートしよう。子供に必要なことは、好きなことを続けたくなる経験や成功体験など。
能力開発
100年前の親も現代の親も同じように抱く普遍的な願い。安定した職業や収入を得て、堅実に人生を歩むことを望む。
子供に必要なことは、読み書き・計算といった基礎学力、英会話やプログラミングといった技能のほかに、プレゼンスキル、コミュニケーション能力など。
能力開発と興味開発
どちらも必要な両輪
「でもやはり手にした興味を形にしていくには、能力がないと夢は実現しません。たとえば星が好き! と思って将来宇宙飛行士になりたいという興味関心が育っても、英語力や協調性、コミュニケーション能力、状況認識能力、チームワーク、サイエンスの知識など、いろんな能力がないと宇宙へは飛び立てません。安定した精神力や体力も必要です。つまり、能力開発と興味開発は、両輪なんです。どちらも同じように高めていかなければなりません」。
能力も興味も、どちらが欠けても目的に向かって推進できない。宝槻先生いわく、まずは興味のスイッチが入れば、その後困難があろうと内発的モチベーションでなんとか乗り越えていけるという。
「興味開発という言葉が認知され始め、それを目当てに訪れる親御さんが増えています。授業規模は昔に比べて5、6倍です。今までみたいなピラミッド型の社会構造で、上からトップダウンで降ってくる命令にただ従っていれば幸せになれるという世の中ではないということに、みな気づき始めていることの証です」。