埼玉県の待機児童数、294人増。隠れ待機児童も明らかに
2018/07/20
埼玉県は、7月13日、2018年4月1日時点の県内の保育所等待機児童数を発表。待機児童数は1,552人となり、対前年比で294人増え、これで2年連続の増加となった。
厚労省による定義が変更され
「隠れた待機児童」も明らかに
今回の発表は、厚生労働省による「待機児童の定義の変更」などに伴ったもの。
具体的な変更点としては「育児休業中だが、保育所などに入所できたら復職したいと考えている保護者の子ども」なども、待機児童と定義されることになった。
この変更により、従来の旧定義では埋もれてしまっていた「隠れた待機児童」もきちんとカウントされるようになり、より正確な統計データとなっている。
4月1日現在、埼玉県内の待機児童は1,552人で、前年の1,258人から294人増加。
就学前児童数は減少しているが、保育所などへの入所申込者数は増え続けており、4月1日時点での申込者数は12万6,661人と、前年比で6,600人増加した。
待機児童が減少した自治体は戸田市、志木市、草加市など20の市町。
一方、さいたま市では定義の変更などにより300人以上増えるなど、16の市町で待機児童が増加した。
ただし「定義の変更前」の旧定義にもとづいて算出すると、前年よりも待機児童数は減少したという。
これまでは明らかになっていなかった「隠れた待機児童」の人数が、定義変更によって上乗せされたことで、相対的に増加したという側面もありそうだ。
なお埼玉県は、待機児童解消に向けて、各市町村と連携しながら受け入れ枠を拡大している。
4月1日現在、安心こども基金の活用による保育所の整備などによって、7,338人分拡大した。
さらに6月には、県内24市で構成する待機児童対策協議会を設置するなどして、各自治体の取り組みを支援。
具体的な数値目標としては、2018年度に県全体で7,500人分の受け入れ枠を拡大するという。
今年の4月1日現在の待機児童数が1,552人、保育所などへの入所申込者数の増加分は6,600人だった。そのため「7,500人の受け入れ枠拡大」の目標が達成されれば、待機児童解消へ大きな前進となる。