「ヨコミネ式」から学ぶ、子供を伸ばす親の心構え
2018/06/22
遊びの中から子供に学ばせる「ヨコミネ式」学育法。親の役目は「教える」ことではなく、子供がやる気になるスイッチを入れてあげることだ。今回は「ヨコミネ式」提唱者の横峯吉文氏監修のヨコミネ式「親力」チェックシートを紹介する。子供のやる気を育てる親になる方法とは?(後編)
天才を育てる父親とは?
あなたの「親力」をチェック!
次のヨコミネ式「親力」チェックシートで、正しいと思うものには◯を、間違っていると思うものには✕をつけてみよう。
いかがだっただろうか。実はこの「親力」チェックの答えは、なんとヨコミネ式では正解はすべて「✕」なのだ。その理由は以下の通り。読んでみると、なるほど納得!
問1 高い所から飛び降りようとするので危険なのですぐにやめさせる
危険から子供を守るだけではただの子守り
子供は、簡単にクリアできることはすぐ飽きてしまう。「ちょっとだけ難しいこと」を常に用意しておくのが、子育てにおける親の責任だ。心配でもあり危険も伴うが、危険から子供を守るだけなら、それはただの「子守り」でしかない。
本来、子供には課題の難しさを判断する本能が備わっている。子供はみんな天才。親は子供の力を信じよう。たとえケガしても、ケガの意味と痛さを理解できる学びのチャンス。ケガの体験は大きな収穫になる。
問2 かけっこで、トラックの白線を踏んでいたので注意した
「勝ちたい」という成長の欲求をじゃましない
ヨコミネ式では小さな間違いをいちいち注意しない。それよりも「勝ちたい」、あるいは「より強くなりたい」という子供の成長したい欲求を大切にする。ちなみに、園内の運動場に自転車が転がっていても、ヨコミネ式では片づけない。よけて走れと指示する。4、5歳の子供たちには、よけて走れる能力があるからだ。
大人が先回りすることで、子供の生きる力を奪ってしまう。「先回りしない」「小さな過ちには目をつぶる」には、親の忍耐も必要だ。
問3 「ホ」の縦線のハネができていないので、正しく書き直させた
形が不格好でもどんどん文字を書かせる
「細かいことは気にしない」というテキトーなやり方で、3歳でひらがな・カタカナの読み書きを覚えさせ、5歳で小学2年生の漢字をマスターさせてしまうのがヨコミネ式。できない文字は飛ばし、遊び感覚で文字を書かせる。嫌いになったらその気持ちを修正するほうが大変だからだ。大切なのは、うまく書けたら必ず「認める」こと。
ちなみにヨコミネ式では、子供が読んだ2000冊の本を記録し、子供の「好き」と「未来」を大人が把握している。
問4 与えられた教科書やドリルはやはり順番どおりにやらせるのが良い
教材に子供を合わせてはいけない
子供は十人十色。教材に子供を合わせるのではなく、あくまでも子供のやり方に合わせるのがヨコミネ式。教材はどれもみな簡単なものから徐々にレベルが上がっていくものだが、必ずしもそれがその子にとっての正解ではない。1ページ目ができないなら2ページ目もできないと考えるのは大人の勝手な発想。無理やり1ページ目からやらせれば、勉強嫌いになってしまう。できないところも、やりたくないところもビシバシ飛ばしてしまおう!
問5 子供同士を競争させるのは、他人を蹴落とす精神なので良くない
勝つ=他人を蹴落とすと考えるのは大人だけ
子供たちを見ていると、10段の跳び箱を自分が跳べたことよりも、むしろできない子が跳べるようになったことをみんなで喜び合うという。子供はそういう純粋さを持っている。競争を、他人をねたんだり、他人の失敗を喜んだり、足の引っぱりあいをして勝つものであると考えるのは大人。
できる子に憧れ、尊敬し、できる子の存在を認め、「自分もあんなふうになりたい」と素直に思える心こそが本来の競争心。競争は悪ではない。