臍帯血は? 運転は? 妊娠中の夫婦の疑問にお答え
2018/05/18
これから迎える新しい家族。 来る出産に向けて、妊娠中に夫婦でできることはなんだろうか? 人気産婦人科医・赤枝先生が丁寧にアドバイス!
Q. 妊娠中はどんなことに注意したらいい?
A. 妊婦さんの車の運転は絶対にNG!
妊娠周期によって注意すべき点は異なりますが、車や自転車の運転は避けましょう。理由は、妊娠中は決断力がにぶり、咄嗟の判断が遅れるからです。普段なら何でもないことでも、妊娠中はちょっとしたことも回避できず事故につながってしまいます。また、血栓ができやすいのでドライブ中はこまめに休憩をとりましょう。
Q. 両親学級ではプレパパは何をすべき?
A. まずは”参加する”ことに意味がある!
両親学級は平日に開かれることがほとんどで、パパの参加は難しいのが現状です。ただし「両親学級に自分も参加したい」と意思表明することに意義があります。参加した場合、気負って「何か質問せねば」とプレッシャーを感じる必要はありません。奥さんはあなたがそばにいてくれているだけで安心するのです。
Q. バースプランを立てたほうがいい?
A. ぜひ夫婦で話し合いましょう
バースプランとは、どんな産み方をしたいか、出産直後どんなふうに過ごしたいかなど、お産を計画すること。プレママもプレパパも出産に対する心の準備が整い、精神的に充実して出産に臨めます。
理想の出産ができるよう、たとえば「陣痛促進剤はなるべく使いたくない」「立会い出産したい」「母子同室がいい」など、わがままにリストアップしていきましょう。書いたら必ず担当医または助産師と話し合いましょう。
Q. “さい帯血”は取っておくべき?
A. 採取できるのは出産の瞬間だけなので真剣に選択を。
へその緒の中を流れている血液のことを「さい帯血」といいます。出産のときの一度しか取ることが出来ない貴重なもので、とても重要な細胞が多く含まれています。これを、ステムセル研究所などの民間さい帯血バンクで長く保管しておくことにより、もしも子供が治すことが難しいと言われる病気にかかった場合、さい帯血を使うことによって有効な治療となる可能性があります。
いまは、国内外で脳性麻痺や自閉症に対する再生医療が活発に研究されており、良い結果も報告されています。子供の将来のためにさい帯血を保管することを考えることは、とても大事な出産前の準備のひとつです。
PROFILE
赤枝 朋嘉 先生 TOMOYOSHI AKAEDA
赤枝医院院長。医学博士、東京医科大学産婦人科学講座兼任講師、日本産婦人科学会認定医、母体保護法認定医、産婦人科内視鏡学会技術認定医。東京医科大学出身。同大学病院産婦人科勤務を経て、平成17年より赤枝医院院長。平成18年日本産婦人科学会シンポジスト。
Text >> MIKAKO HIROSE
Illustration >> PANTODAIKICHI
FQ JAPAN DIGEST VOL.44(2018年春号)より転載