デジタル+アナログ? AI世代がやるべき幼児期教育
2018/05/02
子供が小さい幼児期だからこそ「今しかできないことは何か?」を考えておく必要がある。 幼児期にしておくべきことを、明治大学総合数理学部先端メディアサイエンス学科専任講師の五十嵐悠紀氏にお話を聞いた。
デジタルの最大の利点は
レジリエンス(立て直す力)
「2歳以下はデジタルデバイスを使わせないほうが良いというのが米国小児科学会の見解です」と話すのは、3人の子供を育てる明治大学の工学博士ママ・五十嵐専任講師だ。
五十嵐家も小さい頃はなるべくデジタルデバイスに触れさせないよう努め、2歳過ぎからよく遊んだアプリが「みずあそび」だという。これは蛇口から流れる水を止めたり流れを変えたりして楽しむゲーム。水は容れ物に合わせて柔軟に形を変えることを知り、遊ぶ中で幼児の知育発達を促す。
「大切なのはデジタルとアナログどちらかではなく、リアル体験とデジタル体験の両方のバランスが重要です」(五十嵐先生)。
さらに小学4年生の理科で学ぶ個体・液体・気体の三態変化や気象学習の学びの土台へとつながる。つまり、アプリや動画の内容を実物でも体験させることが大切という。
子供とデジタルの
正しい距離感
「同じ保育園に通う保護者の方々と情報交換すると、ほとんどの親が子供にデジタルデバイスを使わせることに罪悪感を抱いています」。その背景には世間からの”スマホ子育て”への非難が大きい。
「これだけスマホが普及し、2020年からはプログラミング教育が小学校で必修化されます。デジタルネイティブ世代であるなら、デジタルを排除するよりもより賢く使いこなしてしまおうというのが私の考えです」。
そこで挑戦をした結果が『AI 世代のデジタル教育6歳までにきたえておきたい能力55 』の著書だ。いまを生きる子育て世代のバイブルとして話題を呼んだ。