北村一輝「息子は親友」その独特な子育て観が面白い
2018/03/16
3/17(土)公開『映画プリキュアスーパースターズ!』で声優に初挑戦したのが、ローマ人から狂気的な殺人鬼まで、さまざまな役柄を演じ分けてきた北村一輝さん。25歳と若くして父になった彼が手探りで導き出した、その個性的な子育て論とは!?
息子とは遊ぶときも叱るときも
常に対等なスタンスで
27年のキャリアの中で、映画・ドラマの出演作は200本超! なのに、声優の経験はゼロだったという北村一輝さんが、3月公開の『映画プリキュアスーパースターズ!』で声優に初挑戦。演じたのは、プリキュアたちが戦う敵「ウソバーッカ」だ。
「最初に聞いたときは、僕がプリキュア?と思いましたよ(笑)。でも、子供の観る映画は、夢のある世界。僕が演じたウソバーッカは嘘ばかりついている悪役ですが、愛嬌のあるセリフも織り交ぜながら、子供たちを怖がらせすぎないように、楽しんで演じました」。
プライベートでは成人した息子の父という顔を持ち、今も2人で一緒に暮らしている北村さん。息子さんが小さい頃は戦隊モノが好きで、何度も映画館に足を運んだという。
「口では『これ、本当に面白いか?』と言いながら、子供が興味を持っている間は、全部一緒に観に行きましたね。そういえば、戦隊ヒーローだった金子昇くんにお願いして、野菜嫌いの息子の前で野菜を食べてもらったことがあったな(笑)。
基本、子供に嘘はつかない主義ですが、そのときは『野菜を食べると強くなれるんだ』とかなんとか言ってね。実際、そのあとから野菜を食べるようになりました。親より他人のひと言の方が心に響くこともありますから、あの時は助かりましたね」。
子供との間に深刻な嘘はなし。遊ぶときも叱るときも常に対等なスタンスで、本音で語ることを貫いた結果、今では一緒にお酒を飲みながら何時間でも語り合えるほど、仲のいい親子関係が構築された。
狭い世界の固定観念より
広い視野を持たせたい
「子供が生まれたときに、自分が育った過程を振り返りました。大人は常に上から物を言ってきたけど、あのときの言葉がすべて正しいかというと、クエスチョンがすごくある。学生時代は、『先生の言うこと聞いてたら、先生みたいになっちゃうしな』と思ったりもしました。
20代前半には海外を放浪して、国が違えば常識も考え方も違うことも知りました。子供には広い視野を持ってほしいと思ったから、頭ごなしに決めつけて固定観念を植え付けることはしたくなくて、一緒に考えて、話し合うことを大事にしてきました」。
あらゆる視点で物事を捉えられるよう、小さな頃からこの世界は広いんだとメッセージを送り続けてきた。
「大人も十人十色。子供には、『俺は何十万人といる大人のひとりだから、俺の言うことが全部正しいわけじゃない』と伝えていました。僕以外の大人の意見に触れることも大事だから、人と会うときや撮影現場にもよく連れて行きましたよ。もし、そこで子供NGとなれば、『ダメだって〜』くらいの感じで(笑)。嘘もつかなければ、脚色もしなかったですね」。