仮面夫婦が子供に与える問題を防ぐ 4つのアドバイス
2017/08/04
子育てに影響するパパとママの関係性。夫婦向けセミナーも務める林田さんに、仮面夫婦が与える子供への悪影響を聞いた。
1 「夫から充分な理解や支援を受けていない」と
妻が感じていることが、子供の生活に影響する
親たちが気づいていない夫婦の問題が子供たちを精神的に苦しめ、ネガティブな行動として表れる事があります。子供たちの問題をきっかけに夫婦が話し合いを始め、夫婦関係が改善したことで子供自身の生活が改善された事例も。
子供の様子が気になる場合は、夫婦の在り方を見直すことも必要。また、夫婦が普段から子供への関わりについて意見を共有し、お互いのスタンスを尊重しておくことが大切です。
2 夫婦関係が悪いと、妻は家事や育児を
ネガティブに捉えがち
母親が抱える育児ストレスや育児不安は、必ずしも育児だけが原因ではありません。
育児に加えて家事や夫の身の周りの世話までやらなければならないことなど、複合した要因によりストレスや不安を感じる原因となっています。また、夫婦間のサポート関係が乏しい場合、母親が家事や育児を負担に感じる傾向があり、妻の負担感が子供との関係に悪影響を及ぼす傾向があります。
3 夫婦関係の悪化による母親の不安定な精神状態が
子供の精神状態に影響する
家庭内の雰囲気によって、夫婦関係が子供に伝わり、子供の精神状態に影響することがあります。逆に、家庭外でネガティブな経験をしても、夫婦仲が円満で家庭の中が愛情で満たされていれば、子供はネガティブな経験を消化することができます。「子供の前では夫婦喧嘩をしない」という仮面夫婦でも、子供は敏感に夫婦の不仲を感じ取っています。
4 「どうしてウチは家族みんなでじゃなくて、
いつもパパと僕かママと僕でお出かけなの?」
イクメンが増え、妻抜きで子供と出かけても不自由さを感じない父親が増えています。そんな父親たちは「妻抜きで子供たちと出かけたい」というのが本音だったりします。
例えば、妻による「危ない!」「汚い!」「ちゃんと見て!」などの小言や干渉が多いと、子供との時間を思う存分楽しめなかったりするものです。
外出先で夫婦喧嘩をして気まずくなることを考えると、自然と「パパと子供」「ママと子供」のお出かけが増えます。「夫婦それぞれが1人の時間を持てるように」という配慮はとても大切。
その一方で、休日も常に夫婦が別々に行動すると「夫婦の時間」が持てず、それが仮面夫婦化につながる場合もあります。個人化が進むイマドキ家族だからこそ、「家族単位の時間」を持つことを意識することが大切です。
PROFILE
林田香織 KAORI HAYASHIDA
NPO法人ファザーリング・ジャパン理事。米国にて言語教育に従事した後、日米で出産と子育てを経験。夫婦・配偶者向けや両立支援をテーマとしたセミナーなどで講師を多数務めている。3人の男児の母。
FQ JAPAN VOL.42(2017年春号)より転載