我が子を非行に走らせないための5つのアドバイス
2017/07/28
悪い誘いを選ばず親子の絆を選ぶには、幼少期からの教育が重要。我が子を非行少年・少女にさせないためにパパママが注意すべきこととは? ファザーリング・ジャパン中国顧問の福井さんに直撃。
深夜徘徊・家出
非行事例の多くはSNSなどでのやりとりから。深夜、「街に出てくるように」と誘われることから始まります。深夜のコンビニやゲームセンターに集まり、何をするということもなく時間を過ごす。仲間や周辺のものから様々な誘いがあり、隙を見せると一気に犯罪に巻き込まれたり犯したりすることもあります。
本人に悪いことをしている自覚があまりなく、仲良くしてくれる仲間がいるという充足感から多くの子供たちが深夜徘徊をするようになっています。深夜徘徊を繰り返すことで、未知の場所に自分たちだけで行ってみたいと考えたり、深夜徘徊を厳しく咎められたりした反動で家を出ていくことも多く見られます。
またネット上の「家出サイト」にアクセスして仲間を見つけ、示し合わせて家出を敢行することも。それをいいことに、そのサイトには家出少年少女たちを待ち構えている大人がたくさんアクセスしていて、宿泊先などの情報を提供して少年少女たちを食い物にしようしているので注意が必要です。
予防法
まずはネット・SNSなどを使えないようにすることが先決。スマホやタブレット、PCを取り上げることも有効ですが、ネットアクセスに厳しくフィルタリングをかけることでも対処できます。そのうえで深夜徘徊や家出の危険性について、親子でちゃんと話し合うことが重要です。その際、一緒にいた友達のことは、ことさら批判しないようにしましょう。批判すると頑なになり、本当のことを話さない可能性が高くなります。
喫煙・飲酒・薬物
最初はほとんどが興味本位や、友達や仲間の真似から。そこには、背伸びをしてオトナに近付きたいという心理も働いています。その行為をすることで、さらに新たな仲間を増やしていくことになり、自分がそのグループから抜けたくなってもなかなか抜けられなくなってしまうケースが多くあります。薬物に手を出すきっかけにならないとも限らないので注意が必要です。
予防法
煙草・酒は家では子供の見えるところに置かないようにし、煙草や酒また薬物が未成年に及ぼすリスクについてちゃんと説明しましょう。また個室を与えている場合はチェックも必要。このチェックはできれば子供に分からないようにしたほうが良いでしょう。
援助交際・売春
援助交際・売春のきっかけを知ることが多いのは、深夜徘徊や家出から。すでに援助交際をしている仲間の話を聞いたり、援助交際を誘うサイトやSNSから入っていく子も多くいます。仲間たちとの遊ぶ金欲しさのために行う子が多い一方、親からの愛情が不足していると感じる子供が援助交際に走ることもあります。特に、父親の愛情不足と母親の過保護や過干渉がそのきっかけになることが多いようです。
予防法
やはり深夜徘徊や家出をしているようなグループに近付いたり入ったりさせないことが大切。さらに、援助交際を誘発したりするようなサイト・SNSに触れさせないこと。
万引き・窃盗・恐喝
「それを欲しい」ということが動機となって行う万引きや窃盗、恐喝はごく稀。ほとんどの場合は興味本位や仲間に対する度胸の誇示が動機です。書店・コンビニ・ドラッグストアなどが、その対象となることが多いのが現状です。
予防法
子供の万引き・窃盗・恐喝は厳しく叱責する必要がある。お店や被害者に対して全て親が処理するのではなく、子供本人を帯同して謝罪などを行うのが良いでしょう。また幼児期から、全てのことのなかで「モノ」「カネ」が優先するような親の言動は控えたほうが良いと思います。
ケンカ(傷害事件)
深夜徘徊などから仲間ができ、度胸や力の誇示から、グループ内やグループ間でのケンカや傷害事件に至ることが多くあります。
予防法
とにかくそんなグループに入らせない、入らないことが大切。また人を傷付けることがどれほど重大なことかを幼児期から折に触れて話をしていくことが大切です。現代のゲームのように、殺したり傷つけたりすることが得点になっていくようなゲームには触れさせないことも予防の1つと言えるでしょう。
PROFILE
福井正樹 MASAKI FUKUI
ファザーリング・ジャパン中国顧問をはじめとして複数のNPO団体の理事などを務める。自らの非行経験を活かし、警察庁少年警察ボランティアなども務め、非行少年たちを見守る。2人の娘を持つ父親。
FQ JAPAN VOL42(2017年春号)より転載