プロボクサー・村田諒太選手「父親になって世界に勝てた」
2017/04/06
世界で勝つ秘訣は
“弱点”の克服より“強さ”を磨くこと
終始笑顔を絶やさない村田さんだったが、温厚な眼差しが変わった瞬間があった。それは「日本人にとってミドル級は不利なのですか?」と伺ったときだ。
「日本人がミドル級で勝てないなんて、考えたことすらありません。それは欧米人に対する根拠のない劣等感でしかない。僕は勘違いだと思います。チャレンジする限り、誰にでもチャンスはある。ボクシング以外の色々な所で、そういう言い方をされることがありますが、僕は思い込みに縛られたくありません」と力強く言い切った。
「一時期、KOで勝てなかったことがありました。自分の何処が悪いのか、弱点は何処なのかと考えて、ウィークポイントを無くすようなトレーニングをしたのですが、結果はイマイチでした。考えてみれば、ウィークポイントを減らしたところで自分の強さにならない。そこで原点に戻って、僕の強さであるパンチ力とガードの固さ、それに前に出る力を徹底して磨きました。すると、再びKO勝ちできるようになりました。自分のストロングポイントを磨き上げて世界を獲る。そういう自分なら、誰と戦っても勝てると信じています」。
そう目を輝かせた。
父として、プロボクサーとしての想いを語ってくれた村田選手の世界デビュー戦は、5/20(土)に有明スタジアムで開催される。ミドル級での世界王座獲得は20年以上ぶり。また金メダリストでプロの世界チャンピオンは日本人初となる。その勇姿を見届けよ。
『村田諒太世界初挑戦』
VS アッサン・エンダム(フランス)
日時:5/20(土) 15:00開場、16:00第一試合開始
場所:有明コロシアム
6月1日発行の雑誌『FQ JAPAN』VOL.43(2017 SUMMER ISSUE)では、村田選手の子育て論・愛妻家としてのエピソードを収録したインタビューを掲載!
村田諒太
RYOTA MURATA
1986年生まれ。奈良県出身。2010年に結婚し、現在では6歳、3歳の2児の父。中学時代にボクシングを始め、高校では5冠を達成。2004年に東洋大学に進学し全日本選手権優勝。2012年ロンドンオリンピック、ボクシングミドル級で金メダルを獲得。2013年にプロ転向。その後連勝を重ね、激戦階級とされるミドル級での世界戦が決定。
Photo » MIHO FUJIKI
Text » REGGY KAWASHIMA