頼れるパパの必須科目「防災キャンプ」
2017/03/15
災害時の緊急対応や長期にわたる避難生活。万が一の被災時には、アウトドアの道具や知識が役に立つ。「防災キャンプ」を提唱している寒川氏に野外生活術を紹介してもらった。
キャンプノウハウが
災害時に役に立つ!
私はキャンプが大好きで、もう40年近く趣味として楽しんでいます。キャンプは森や水辺といった自然豊かな場所で火を熾して調理したり、テントを張って星の下で眠るものです。
つまりライフライン(=電気・水道・ガス)のない場所で、暮らしを展開するのがキャンプとも言い換えられます。ご承知のように、この10年ほどの間に自然災害は急増。いつ普段の便利な生活が失われるか誰にも分からない状況下にあります。家財を失い、避難所で暮らすような可能性は誰にでもあるといっても過言ではないでしょう。
これまで自らの楽しみで続けてきたアウトドアライフが、ここにきてとても重要なスキルではないかと感じるようになりました。寒さや暑さから身を守り、身体を満たすことは生きるうえでの必須事項です。それが老若男女、誰でも遊びとして楽しめる、それがキャンプなのです。
アウトドアドアショップにはテント、シュラフほかさまざまな道具が並んでいます。そのどれもがコンパクトで高性能で、人間の知恵そのものです。それらを自然の中でうまく使いこなせたら、いざというときの不安も少しは解消されるのはないでしょうか。
そして、キャンプを通して得られるもうひとつの重要なことは自然への畏敬の気持ちが養われることです。自然は我々の思うようにはなりません。自然にそって生きていく方法、それがアウトドアテクニックなのです。災害から身を守る、ということだけではなく、そこから得られる臨機応変さや創意工夫の精神はこれからの暮らし方のヒントにもなるのではないかと思います。
普段からキャンプを楽しむことは、被災時にも役立つ経験となるのです。
《災害時のテント・寝袋の使い方》
テントは雨風から身を守ることができますが、落下物などの衝撃には極端に弱いものです。崖などの近くはもちろん、木や電柱など落下物の可能性がある場所に張るのはやめましょう。また増水の可能性などがある水辺も危険です。
体育館の中でテントを張る際は、ポールが周りに当たらないように配慮が必要です。最初から長く繋がないで、少しずつ繋ぎ合わせて組み上げていくようにしましょう。
テントの中で寝袋に入って眠るとき、じつは寝袋より重要になるのは地面からの冷気を遮断することです。それには、寝袋の下に段ボールを敷くと良いでしょう。アウトドア専用のマットがあれば、断熱のみならず、空気の層を作ってくれる仕組みになっていて、通気、保温効果もあります。寝袋の種類には、封筒型とマミー型がありますが、封筒型は広げれば布団と同じような使い方ができます。2つを連結させることができるものもあり、小さなお子さんがいるファミリーには向いているようです。普段から使うようにして、寝袋で寝ることに慣れておくのもいいでしょう。