「日本は子育てしにくい」と感じたあなたが取るべき行動
2016/10/27
イクメン議員連盟の共同座長も務めるイクメン議員・柚木みちよし氏による、「日本イクメン増加計画」とは。
柚木みちよしの「日本イクメン増加計画!」
日本を子育てしやすい国に変えるには?
意見は重視されない!
今年7月に行われた参議院議員選挙、みなさんは投票に行かれましたか? 今回の投票率は54.7%と、戦後4番目に低いものでした。一部を除き、投票率はおおむね年齢に比例しています。当然、候補者は有権者の票を集めるために、投票率の高い層に受けるような政策をアピールします。
最近は「保育園落ちた日本死ね」のブログで注目されていますが、待機児童解消や男性の育休取得率向上をはじめとした、子育て支援政策がこれまで、年金など高齢者政策に比べて後回しになってきたのは、子育て世代の投票率の低さが一因です。
有権者からしてみれば、そんな状況では「どの政治家・どの政党に投票しても、何も変わらないだろう」と投げやりになり、投票に行かない……ということになってしまいます。
しかし、これでは悪循環です。政治家であれ有権者であれ、声の大きい人の意見に耳を傾けがちです。マイノリティーの意見は、こうしてさらに聞こえにくくなってしまうのです。
イクメン大臣の設置で
日本のあらゆる問題が解決!?
もし私が総理大臣になったら、まず「イクメン大臣」を設置します。なぜ、イクメンがそれほどまでに重要なのか。それは、男性の積極的な家事・育児参加は、結果的に出生率を上げ、女性の社会進出を支え、世帯収入を上げ、日本の経済発展や財政再建にもつながるからです。そして、子育てに携わることで、男性は保活(私自身、保育園探しにとても苦労しました……)や働き方改革などの問題を「女性の問題」ではなく「自分(男性)の問題」と捉えるようになるからです。男性自身もかけがえのない経験を得ることができます。夫婦や子供との絆が強まるのはもちろん、人間として成長し、仕事にも活かせる気づきや学びがたくさんあるでしょう。
政治家を動かさなければ
法律や制度は変わらない!
いかがですか?
私の意見はあくまでも例ですが、こうして政治家がわかりやすく発信していくことは非常に重要です。ただ、有権者も待っているだけじゃダメなんです。政治家や議会を動かさないと、法律や制度は変わりません。子育て世代のみなさんが政治に高い意識を持ち、政治家を振り向かせるくらいの存在感をアピールしていく必要があるのです。
今年、インターネット上で「♯保育園落ちたの私だ」とママたちが声を上げ、一大ムーブメントになりました。こうした動きも影響力があると思いますが、まずは政治や国の動向に関心を持ち、選挙では投票に行くこと。それが、マイノリティーの声を大きくする第一歩だと思うのです。
今の日本は、子供を生みたい人が生めない国になってしまっています。男性の家事・育児参加を阻む長時間労働、保育園・保育士の圧倒的な不足、高い保育費・教育費。要因はたくさんありますが、多くの調査で「夫の理解と協力」が子供の出生数に大きく影響するという結果が出ています。
男性の家事・育児参加率が上がれば、家庭はもちろん、この国も、間違いなく変わります。私も2児の父親としてそのことを身をもって感じていますし、子育て世代のみなさんも同様ではないでしょうか。
さあ、男性のみなさん、今こそ立ち上がりましょう!
柚木道義(MICHIYOSHI YUNOKI)
1972年岡山県生まれ。超党派イクメン議連の共同座長。
2005年衆議院議員選挙岡山県4区にて初当選。現在、民進党国会対策委員会副委員長、民進党岡山県連代表、衆議院厚生労働委員会委員、法務委員会委員、消費者問題特別委員会委員を務める。プライベートでは長女5歳、長男2歳のパパ。
Text » FUKA SASAHARA