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セックスレスを解決する オキシトシン・リッチ理論

「教育ジャーナリスト・おおたとしまさの視点」連載第26回。オキシトシン・リッチな夫婦になる。

目指せ!
オキシトシン・リッチなセックス

愛し合っている2人がセックスをすると、男女ともに、オキシトシンというホルモンが大量に分泌することがわかっています。オキシトシンは「愛情ホルモン」「抱擁ホルモン」などとも呼ばれ、人間同士の親密性を増幅させ、幸福感をもたらすといわれています。愛情や信頼を維持するために重要なホルモンです。ストレスを緩和する作用もあるといわれています。

逆に好きでもない相手とするセックスではオキシトシンはあまり分泌されません。マスターベーションや性風俗ではオキシトシンによってもたらされる幸福感は限定的でしょう。

人がセックスをしたくなる欲求には、オーガズムによる瞬間的肉体的快感への欲求だけではなく、オキシトシンによる幸福感への欲求もあると考えられます。

長年連れ添った夫婦のセックスによって得られるものは、主に後者ではないかと思います。「心のつながりを大事にする本当のセックス」とは、オキシトシンによってもたらされる幸福感が豊富なセックス、すなわち「オキシトシン・リッチなセックス」と言い換えることができます。

オキシトシン・リッチな夫婦がするセックスには、温泉に浸かる以上の癒やし効果があるかもしれません。「疲れた〜」と思ったときに、わざわざ温泉旅行をしなくてもいいのです。家庭の中に最高の癒やしがあるなんて、幸せなことですよね。



スキンシップを
「ポイント制」で考えてみる

「もう何年もセックスをしていないけれど、夫婦どちらにも不満はない。お互いに愛している」というカップルもときどきいますよね。

しかし、そういうカップルによくよく話を聞いてみると、いわゆる生物的な意味でのセックスという行為はしていないものの、普段からよく会話し、ハグをしたり、キスをしたりという軽いスキンシップはむしろたくさんとっていることがわかります。

1回のセックスで得られるスキンシップの量を100ポイントとした場合、ハグなら10ポイント、キスなら20ポイントくらいでしょうか。すれ違いざまにちょっと肩を触るくらいなら5ポイント、腰を触るなら10ポイントくらいでしょうか。そうやって、小さなスキンシップを重ねることで、セックス1回分以上のふれあいを、彼らは継続的に実感しているのかもしれません。

実はちょっとしたスキンシップでも、オキシトシンは分泌されます。オキシトシンが分泌されることで、相手への愛情がさらに深まると、軽度なスキンシップでもさらに大量のオキシトシンが分泌されるようになります。

つまり、セックスという行為そのものをしなくても、小さなスキンシップを重ねていれば、オキシトシン・リッチな夫婦になることは十分に可能なのです。

妊娠中や産後など、あるいはどうしてもセックスという行為に抵抗がある場合は、小さなスキンシップを積み重ねることでも、総量としては、セックスに相当するオキシトシンが得られるかもしれません。



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