子供のスマホ依存を防ぐ! 正しい心構えとルール
2016/06/28
私たちが幼い頃、SF映画の中でしか存在しなかったようなデジタル技術に囲まれて、現代の子供たちは育っている。子供たちのスマートフォンの普及率も急速に伸びてきている今、父親たちが向き合わなければならない問題。スマートフォン・タブレット端末と、子供たちの正しい向き合い方について。
急速に伸び続ける子供のスマホ所有率
テクノロジーが現代社会を支配しているのは避けようのない事実だ。何か起きればすぐデジタルでコミュニケーションが取れる時代。「生活の全てがオンラインで支配されている」と感じることもよくあるだろう。
今時、子供たちが自分のスマートフォンやタブレット端末を持つのも珍しいことではない。文部科学省によると、日本の小学6年生の携帯電話・スマートフォン所有率は58%まで普及している(2015年調査/全国平均)。
デジタルは子供にとって善か悪か?
数多くの調査で、デジタル技術が、子供が早期の読み書きの能力を発達させるのにとても良い手助けになることや、学習的な活動により楽しんで取り組むことができると示している。
こうしたデジタルが生活に定着する中、多くの親は「スマホ依存」について心配している。一体、親たちはどのようにして、子供が“機械の奴隷”とならないように導くことができるのだろうか? 次の「心構え」と「ルール」を、ぜひ参考にしてみてほしい。
子供にスマホを与える前に!
知っておきたい親の心構え
子供たちは“スポンジのような脳”で吸収していく
デジタル化の進歩は避けることができない。あなたは、それを「どう排除するか」ではなく「どう上手く活用するか」を考える方が建設的である。子供たちの吸収性のある脳は、学ぶための準備ができている。きっと、あなたがスマホを初めて手にしたとき以上に、子供は難解な画面を器用に操ることができるだろう。
適度なゲームやアプリは“教育的な効果”を持つ
「他の遊びと並んで、ゲームは色々な役割を経験するのにとてもいい方法だ」と、グラハム博士は説明する。「でも、親が『これはただのゲームなんだ』というメッセージを強く発信して、子供に現実とゲームの世界の違いを気付かせることが大事。ゲームの中でのスキルや態度は現実世界を反映していない、ということを」。
“あなたがお手本”ということを忘れないで!
子供にとってはいつでも親がお手本だ。もしも子供と過ごしているときに、あなたが忙しそうにスマホをいじっていたとしたら、子供は「パパは僕と遊ぶよりも、オンラインでいることが大事なのか」と思ってしまうかも。どこでも仕事ができる良い時代にはなったが、子供の前ではメリハリに気をつけて。
子供を依存させないために!
スマホとの正しい付き合い方
アナログと同じように“親子の関わり”を持つこと!
「iPadを触らせておくと、子供たちが静かになる」と思う親も多いだろう。特に静かにしなければいけない公共の場やドライブでその効果は遺憾なく発揮される。しかし、それをあまり頻繁に使ってはダメ。それが教育的なゲームだとしても。あなたが一緒に使えば、子供がゲームから得るものも増えるでしょう。時にはアナログなおもちゃや絵本などで問題を解決してみて。
子供に必要な“現実の直接体験”を忘れないこと!
運動、社会スキル、創造性など、機械だけでは提供できないものはたくさんある。「靴紐を結ぶこと、ハサミ・鉛筆を使うことや、走ったり登ったりすること……これらは全部、身体的・精神的な発達に大事なことです」とグラハム博士。デジタルよりも楽しい世界がこの世にあること教え、外に出て楽しむよう後押ししてみて。
アクセスを制限して“デジタルの門限”を決めること!
まずは、子供の閲覧を避けたいコンテンツをブロックすることは基本。そして、使う時間を組み立てるのも、依存を予防するために重要なこと。デジタルの門限(電源オフの時間)を設定しよう。また、寝る1時間以内にスクリーンを見るのはナシ。画面のブルーライトが「脳に起きる時間だ!」と思わせてしまうのだ。
監修 » リチャード・グラハム博士(小児精神科医・コンサルタント(イギリス))
Text » FQ UK
「子供とスマホの付き合い方」他、父親のタメになる情報満載の雑誌『FQ JAPAN』最新号は9月1日(木) 全国の書店にて発売予定!