仕事も私生活も充実させるワークライフ“ミックス”
2016/07/12
仕事と私生活を分けるのではなく、どちらも欲張りながら充実させる考え方、それが「ワークライフミックス(WLM)」。
駅型保育園にあずけて、出勤する
通勤と子供の送迎が一緒にできたらどれほど便利だろうか。しかも、急な残業にも対応して遅くまで預かってくれる保育施設が駅の近くにあれば、一層助かるだろう。
そんな願いを叶えてくれているのが駅型保育園。駅から概ね5分ほどの隣接した場所に位置する利便性とともに、勤務時間と通勤時間に配慮された保育時間で、延長保育のニーズにもしっかり対応する。
JR東日本の「HAPPY CHILD PROJECT」では、駅型保育園や駅型学童、送迎保育ステーションなど、地域ニーズに応じて提供サービスを拡大している。送り迎えの時間をやりくりする悩みが軽減され、働き方の可能性も広がっていく。
CASE 02
コワーキングスペースに、子供を連れて行く
起業家同士の交流が多く、事業立ち上げ時の悩みやビジネスに役立つ情報が活発に交換されるコワーキングスペースで、子供を遊ばせながら子育ての情報も交換できたら、何か新しいアイデアも生まれてくるかも。
「今までは選択できないと思っていた働き方を選択できる場所」として東京・赤坂で運営されているのが、保育士常在のキッズルーム併設型コワーキングスペースHatch Cowork+KIDs。
利用者の男女比はほぼ1:1。時には育休中の利用者の奥さんが来たりといった自由度の高い環境で 、使用者同士で新ビジネスの共同スタートを行うといった新たな展開も見せている。
CASE 03
子供を連れて、出勤する
夏休みなどの長期休暇期間中に子供が学童に通いたがらないという「小1の壁」や、学童に預かってもらえないという「小4の壁」を抱える人は多い。サイボウズは、その悩みを丸ごと受け止め、解決に向けて動いている。
「子連れ出勤が現実的かどうか試してみたい」との一人の社員からのリクエストを受け、人事は仮運用を決定。サイボウズといえば、ライフステージに応じて働き方が選択できる制度を導入するなど多様な働き方を実現し、「働きがいのある会社ランキング」にもランクインしている。
子連れ出勤時は、共有スペースのラウンジをパーテーションで区切り、子供と一緒に過ごしながら働けるスペースとして使用している。
CASE 04
シェアオフィスに、子供を連れて行く
子供達も幸せでいられる空間で仕事ができるように、あえて託児機能をつけずに、親と保育士、そして利用者同士が一緒に子供たちを見守る、コミュニティ作りを大切にしたシェアオフィス。そのスタイルを実現しているのがRYOZAN PARKの「こそだてビレッジ」だ。
間仕切りのないフリーアドレス型の共同ワーク・スペースで、お仕事や自分のやりたいことをしながら、隣接されたキッズルームが見える大きな窓から覗けば、子供達がどのように遊んでいるか見ることもできる。
ビレッジに集まった人たちのアイデアや文化のシェアはもちろん、子供を通した友情や助け合いも生まれてくるのではないだろうか。
CASE 05
在宅で勤務する
住みたい場所に住み、好きな仕事が思い切りできたらどんなにいいだろう。ネットが普及したいまの時代なら、工夫次第でそんな希望も叶うはず。自社で開発したチャットツール”Remotty”、Skype等を活用して在宅勤務スタイルを積極的に取り入れているのは、ルールを持たないスピリットを掲げてソフトウェア開発を行う企業・ソニックガーデンだ。
仕事中は社員全員が常に”Remotty”にログインし繋がっているため、離れている場所でもストレス無く業務が行える。国内はもちろん、アイルランドでの海外勤務の夢を実現させた社員も。
ちょっとした時間に子供を見ておくこともできる「どこでも、いつでも仕事ができる環境」は、家族にとっても優しいものであるようだ。
Text » MIKAKO HIROSE
※FQ JAPAN VOL.34(2015年春号)より転載