育児はビジネスチャンス?ミクシィ創業者の育児生活
2015/10/26
産休の取得により育児の大変さを体感した、ミクシィ創業者の笠原健治氏が、復帰後に起こしたムーブメントとは!?
STEP3 「ビジネスチャンス」にもなることを知るべし!
産休・育休の経験を仕事にフィードバック
休みを取って、
妻と同時に育児をスタート!
正直にいうと、2013年5月に長女が誕生するまで、男性の「産休」について深く考えたことはありませんでした。ウチの会社はもともと休みの取りやすい環境で、出産に合わせて数日休む男性社員も数多くいましたので………。しかし、自分がいざ妻の出産で休んでみたときに、産休の必要性を強く感じました。
産休の一番のメリットは、妻と同時に育児をスタートできたことです。抱っこの仕方や寝かしつけ、沐浴・お風呂など、育児に最低限必要なことを早いうちから覚えることができたので、その後も、スムーズに育児に参加することができました。
また、妻へのサポートの重要性に気づけたというメリットもあります。私の子供は生まれた直後から、泣き声も大きく、授乳も頻繁でした。妻もほとんど寝られない状態だったのを目の当たりにして、育児の大変さを肌で実感し、育児への意欲がより高まりました。
出産を機に仕事の着想を得て、
働き方に変化が生まれる!?
一方で、実は仕事の着想も得ました。子供の写真や動画をたくさん撮っていた私は、それらを気軽に家族で共有できるツールが必要だと思い、容量の制限なく整理・保存できるアプリ「家族アルバム みてね」を作りました。これによって、職場でも妻が撮影した写真・動画をチェックできるようになり、リアルタイムで子育てに参加している感覚を味わえました。また、帰宅後の会話が「今日どうだった?」ではなく、「あれ可愛かったね」から始まるようになり、夫婦の会話も弾むようになったのです。
私の場合、「産休」取得後も、しばらくの間は夜の会食を入れないようにしていましたが、かえってオンとオフのメリハリがつき、仕事の集中力はグンと上がりました。
そういった自分の育児体験も影響し、今年の8月からミクシィでは、「ベビーシッター補助」と「病児保育補助※」のテスト運用がスタートしました。これは、働きながらの子育てがいかに大変であるか、私自身も痛感し、子供がいる社員の時間的・場所的な制約を少しでも緩和し、ワークライフバランスをとってほしいという思いから始まりました。今後も、子供の育児を通して得た発想を社会に発信し、より育児のしやすい環境づくりに貢献したいです。
※子供が病気時にベビーシッターを雇った場合に出る補助。
Text » YUKI IMATOMI
(2015.10.26)
FQ JAPAN VOL.36(2015年秋号)より転載