点を線にする 切れ目のない支援
2015/10/01
WLBの実現は、「結婚」の段階から考えておくもの!?結婚、妊娠、出産……1人ではクリアできない問題をサポートする体制の充実が社会を変える!?
“点”を“線”にする
切れ目のない支援を目指す
政府は、今年3月20日、平成27年度から5年間の少子化対策の指針として、「少子化社会対策大綱 〜結婚、妊娠、子供・子育てに温かい社会の実現をめざして〜」を策定した。平成16年、22年に続き3回目となる今回の大綱では、従来の「子育て支援」と「仕事と家庭の両立支援」中心の施策体系から、結婚・妊娠・出産から子育ての切れ目ない支援、特に「結婚」に対する一歩踏み込んだ施策が盛り込まれているのが大きな特徴だ。
大綱では、「個々人が結婚や子供についての希望を実現できる社会をつくる」ことを基本的な目標とし、結婚を妨げる理由の一つとなっている若者の雇用問題(就労支援)なども含め、「結婚、妊娠・出産、子育ての各段階に応じた切れ目のない取り組み」と「地域・企業など社会全体の取り組み」を両輪として、きめ細かく対応することをうたっている。
具体的な重点課題としては、今春スタートした「子ども・子育て支援新制度」の円滑な実施、保育所待機児童の解消といった子育て支援施策をより一層充実させることを筆頭に、「若い年齢での結婚・出産の希望の実現」のための若い世代の経済的基盤の安定、女性だけでなく男性も含めた働き方改革、女性の継続就労やキャリアアップ支援、さらに「地方創生」の動きと連携した取り組みなど、幅広い観点から少子化対策を講じた内容となっている。
結婚や子供についての希望を
実現できる社会をつくることが目標
少子化対策企画室の竹林悟史さんは、「各段階に応じた個々の支援策はもちろん、〝点〞を〝線〞にする継続的な支援により、これからの社会を担う若い世代が安心して、そして希望を持って、結婚して子供を育てつつ職業人としても活躍できる社会の実現を目指していきたいと考えています」と述べる。
なお、各施策には具体的な数値目標が設定されているが、今回は新規目標として、「男性の配偶者の出産直後の休暇取得率:80%」、「結婚・妊娠・出産・子育ての各段階に対応した総合的な少子化対策を実施している地方自治体数: 70%以上の市区町村」、「結婚、妊娠、子供・子育てに温かい社会の実現に向かっていると考える人の割合:50%」などが掲げられている(いずれも2020年目標数値)。
また、政府は、少子化を「社会経済の根幹を揺るがす危機的状況」と捉え、「社会全体で行動を起こすべき」としている。更に、今後5年間を「集中取組期間」と位置づけていることからも、今回の大綱に対する政府の〝本気度〞が垣間見える。
あなたの子供が成長し、あなたと同じように親になったとき、日本は子育てのしやすい国になっているだろうか。自信を持って「Yes」と言うためにも、国の制度を理解・活用し、そして周りの人にも共有していくことが重要だ。そしてそれこそが、あなたの子供、さらにはその子供の幸せに繋がっていくだろう。
http://www.mhlw.go.jp/●子ども・子育て支援
http://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kodomo/kodomo_kosodate/
(2015.10.1up)
FQ JAPAN VOL.35(2015年夏号)より転載