今秋に控えた入園募集の前に知っておきたい
幼稚園・保育所・認定こども園の違いとは?
2014/09/21
来春から施行される「子ども・子育て支援新制度」に伴って 厚生労働省が定める「幼稚園・保育所・認定こども園」の立ち位置の違いについて話を伺った。
来春から施行される「子ども・子育て支援新制度」に伴って
厚生労働省が定める「幼稚園・保育所・認定こども園」の立ち位置の違いについて話を伺った。
地域のニーズに合ったきめ細かい子育て支援を目指す
来年の春からスタートする「子ども・子育て支援新制度」には、大きく3つの柱があります。
まず、幼稚園や保育所といった枠組みを超えて、子供や家庭のニーズに合った支援を行います。新たな施設を作るだけでなく、既存の建物などを活用しやすい、小規模保育や家庭的保育(保育ママ)、居宅訪問型保育(ベビーシッター)、事業所内保育(企業付設の保育施設)といった小さな保育サービスにも財政支援を行い、待機児童の解消や、子供が減っている地域での保育機能の確保に努めます。
次に、認定こども園を拡充していきます。認定こども園とは、幼稚園と保育所の両方の機能を持つ施設で、満3歳以上の子供は、親の就労状況に関係なく認定こども園に通うことができます(3歳未満は保育所と同等)。また、途中で親の就労状況が変化しても、継続して通園できます。
さらに、地域の実情に応じた子供・子育て支援を行います。共働きの家庭だけでなく、自宅で子育てをしている家庭への支援や小学生向けの放課後児童クラブなども拡充します。
また、新制度の特徴として、市町村が主体となって計画・運営を行う点も挙げられます。子育て支援に対するニーズや現状は地域により大きく異なるので、それぞれの地域に応じたきめ細かなサポートが求められるためです。
幼稚園・保育所の次年度の入園募集は、地域により異なりますが、10月頃から順次始まります。この時期、お子さんを預ける立場として気になるのが、「幼稚園・保育所・認定こども園は何がどう違うのか?」ということだと思います。新制度では、親の就労状況などにより3つの認定区分に分かれますが、ここでは実際の各施設での生活について紹介したいと思います。
まず、幼稚園と保育所の違いですが、「幼稚園では教育、保育所では保育」というわけでは決してありません。幼稚園と保育所の教育カリキュラムは順次揃えてきていて、平成20年度の改訂でほぼ同一内容になりました。具体的には、知識を教え込むのではなく、自発的な活動としての遊びを通じて、「知りたい、やってみたい!」という意欲や、人やものへの関心を引き出すような、〝後伸びする力〞を養うことです。
一方、幼稚園と保育所の両方の機能を持つ認定こども園では、子供たちが幼稚園クラスと保育所クラスに分かれることはありません。もちろん、親の働き方によって、退園時間や休暇(夏休み・冬休みなど)は変わってきます。親が就労していない場合は、14時頃に退園しますが、14時までは、みんなで一緒に様々な活動に取り組みます。一方、親が就労している場合は、18時、19時頃まで園で過ごします。認定こども園では、このように1日の生活リズムや在園時間が異なる子供がともに過ごすことになるので、活動と休息、緊張感と解放感などの調和を図ることを特に求めています。
また、認定こども園のスタッフについては、保育士免許と幼稚園教諭免許の両方を持っていることを基本としています。ただし、これには5年間の経過措置を設け、いずれかしか持っていないスタッフについては、5年間のうちにもう1つの資格が容易に取得できるような特例制度を設けています。なお、新制度では、現在の幼稚園や保育所、認定こども園が併存することになります。地域により事情は異なりますので、詳しいことはお住まいの市町村にお問い合わせください。
厚生労働省 雇用均等・児童家庭局 総務課 少子化対策企画室長
内閣府 子ども・子育て支援制度施行準備室併任
◆厚生労働省 www.mhlw.go.jp
◆子ども・子育て支援 www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kodomo/kodomo_kosodate
Text >> FUKA SASAHARA
※FQ JAPAN vol.32(2014年秋号)より転載
(2014.9.22up)