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インタビュー

元テレビ朝日アナウンサー・竹内由恵さんが語る「夫婦ケンカの仲直り戦術」とは

元テレビ朝日アナウンサーの竹内由恵さんがこれまで描き溜めたマンガをまとめ、エッセーも贅沢に新たに盛り込んだ『なんとかなるさ!ヨシエのとほほ!くすくす日和』がいよいよ発売。普段はなかなか見ることができない竹内由恵さんの素顔(?)に迫る!

 

<目次>
1.日々、夫婦の激しいぶつかり合い
2.つらい時も、漫画のネタ探しも 一人ボケツッコミで乗り切る
3.夫婦ケンカで仲直りするためのヨシエの戦術とは?

 

日々、夫婦の激しいぶつかり合い

――初の書籍出版ですね。お気持ちをお聞かせください。
竹内由恵(以下、竹内):出版が決まる前から描き始めて、こうして1人目の妊娠中から2人目出産、現在の育児に至るまでの宝物のような時間を形にすることができて、まさに私の宝物になりました。たくさんの方に読んでいただければ嬉しい、と思っています。

――今日は、2人のお子さんたちはどうされているんですか?
竹内:2人とも保育園に行っています。下の子は卒乳したし、搾乳もないし、「あー、なんてラクなんだ!」と。でも、ちょうどいま、保育園から電話があって、「お熱があるので、お迎えに来てください」と言われて・・・。こんなときは義母やシッターさんにお願いしたり、周りの人に 助けてもらいながら、“なんとか”できています。

――書籍のタイトルも『なんとかなるさ!ヨシエのとほほ!くすくす日和』ですね。“なんとか”なるものでしょうか?
竹内:結婚するためにテレビ朝日を辞めて静岡に行くとき、周りからは「仕事を辞めるなんてもったいない」「友達も知り合いも誰もいない場所だよ」「本当、大丈夫?」と心配されて、心配されたことが見事、実際に起こって(笑)! でも、こうしてなんとかなっています。

岐路に立ったら、予測を超えるほう、未来が読めない未知のほうを選択してしまいます、カッコよく言えば。そのほうがワクワクするんです。まあ、ただ無計画・無謀なだけなんですけど(笑)。東京以外のところに住んでみたい、そろそろ人生を変えたい、みたいなタイミングだったので、(利害が)合致しました。その時、一番欲しかったのが家族と子どもだったから、1mmも後悔はないです。

――当初は旦那さんとケンカ続きだったそうですね。
竹内:そうですね。いまはケンカのピークは過ぎて、凪(なぎ)ってます。ピークは2人目が産まれた後。育児があまりに大変すぎて、主人が家に帰ってきたとき、私はお帰りなさいも言わずに、言外に(あーやっと帰ってきた、こっちはこんなに1人で大変だったんだよー!)というのが顔と態度にモロに出ていたみたいで、主人に「まずは、お帰りなさい、お疲れさまと言って欲しかった」と言われて。

確かに想像力も配慮も足りなかった・・・と頭ではわかっているんですが、でも、私も、「1人でよく頑張ったね」という、ねぎらいの言葉が欲しかった。そのことをきっかけに、お互いに思っていることは口に出して言い合おう、ということになり、溜め込まずに思い切りぶつけ合っています。

――ケンカもパワーが要りますよね。
竹内:はい。子ども2人の世話が大変で、余計なパワーを極力使いたくない、とお互いに感じている気がします。そうして、自然に歩み寄るようになり、おかげでケンカが減りました。

――漫画の中で、旦那さんの成長も感じられます。
竹内:あるとき、主人が丸1日、朝から晩まで、子どもたちの世話を1人でやった日があって、「子どもと丸1日過ごすことが、こんなにも大変なのかー!!」と、やっと深く理解してくれたみたいです。

それまでは、主人に「ご飯のときに、長男が遊びまわってなかなか椅子に座ってくれないのよ」という大変さを、口で言っても伝わらなかったのが、自分でその大変さを実体験してみて、理解できたようです。

以来、1人で2人の子どもを世話するなんてきついよね、と、できる限り早く帰宅するようになったり、私が仕事で留守のときは「大丈夫、僕がやるよ」と言ってくれたりとか、ものすごーく協力的になりました。しかも、あの1日丸々子育て体験のおかげで、父親としての大きな自信に繋がったようで、父としてパワーアップしました。

ただ1つ、漫画が出版になることを主人はとても喜んでいるのですが・・・俺の絵だけ雑なのでは? という「?」が入っています(笑)。

――結婚するときには、旦那さんに、仕事より家族の時間を大事にしたいと話していたのに、結局仕事への意欲が高まっていったそうですね。
竹内:はい(笑)。主人には「話が違う」と言われました。仕事をセーブしようか考えたこともあるのですが。

でも、「子育てだけじゃなく仕事もしていたほうが、ハッピーで、充実していて、楽しくて、2つあることで心身のバランスを保てている」という私の状態に、「君がハッピーならそれでいい」と言ってくれています。バランスが崩れると、大変なんですよ、私。泣いたり絶望したりして。それよりもマシだって(笑)。

つらい時も、漫画のネタ探しも
一人ボケツッコミで乗り切る


 
――つらい時、一人ボケツッコミされるそうですね。

竹内:小さい頃からちびまる子ちゃんが大好きで、電車に乗り遅れたときは、汗が「タラーッ」と額を伝い、ショックなことがあれば、頭に大きな岩が「ガーン」と落ちてくるイメージが浮かんで、一人で苦笑いしています。

――お子さんとは普段どんなふうに過ごされていますか?
竹内子どもに、「一緒に線路作ろう」「一緒にレゴやろう」「カードで遊ぼう」と言われるのが、 実は少ししんどいのです。一緒に楽しめるというママも多いと思いますが、私はそれより自分のことがしたい。一人でのんびり好きなカフェで過ごしたい。だけど、一緒にいると子どもは喜ぶので、我慢しながら一緒に遊んでいます(笑)。

でも、その対価というか、報酬みたいなものが必ずあるんです。レゴで面白ものを作って見せてくれたり、見たこともない笑顔で笑ったり。そのときつくづく思うんです。「私、頑張って耐えて良かった!」って。忍耐と報酬は対(つい)なんですね! こういうつらさみたいなものって、きっとハタから見たらおかしいですね。そんなときも、1人ナレーションみたいな感じでツッコミしています。

――1人ナレーション、さすがは元アナウンサーですね。
竹内:「あ、これ漫画のネタになりそう」とか、嫌なことがあっても「4コマ作れそう」という視点で物事を見ると、なかなか人生楽しめます。なんでもかんでも起承転結に置き換えると、子どもに対してイラっとしなくて済んで、「ありがとう、ネタを提供してくれて!」という感謝の気持ちに変わります。

――親として子どもに伝えたいことは何でしょうか?
竹内:最近、長男が失敗するとすぐに癇癪を起こして、「もーやだー」となるんです。そんなときは「間違えることはいいことなんだよ。むしろ、今のうちにめちゃくちゃ間違えたり、失敗したりしたほうがいいんだよ」と。失敗を恐れないマインドを身につけてほしいなと思います。

夫婦ケンカで仲直りするための
ヨシエの戦術とは?

――書籍の中で「夫婦関係をおろそかにしないようしている」とありますが、夫婦関係を良好にするために心がけていることは何でしょうか。
竹内毎朝のハグです。私はガサツで大雑把なので、子どもの世話をしながら横目でパパが出かけるのを「ハイハイ、行ってらっしゃい」とおざなりにしがちなので、あえてちゃんと愛を確かめ合う朝の時間を設けるようにしています。

――他には旦那さんに対してどんなことを心がけていますか?
竹内:仕事が同じ週に立て込んできたりしたときに、「大丈夫?」と逐一様子を聞くようにしています。あとは「来週はあんまり仕事ないからね」というフォローを入れたりして。家族ではあるけど、他人でもあり、思いやりのマナーを実は一番意識しないといけない相手なのだと感じています。

――最後に世の中のパパにメッセージをお願いします。
竹内:産後のママは本当に大変で必死で、その苛立ちから夫婦ゲンカになりがちです。でも、その大変さを助けてーと言える相手、それを実際にすぐに助けてもらえる相手はパパしかいません。ママの大変さを想像する想像力を持ってほしい。

とは言っても、それはものすごく難しいので、わかりあうためにもお互いに思っていることを言って発散していいと思います。私の場合は、「私のココが悪かった、ごめん」と先に謝ります。でも、先に謝るのは、あなたもココが悪かったわよねと「ごめん」を言わせるための戦術なのかもしれません(笑)。

――こう見えてヨシエさんは策士!!? 本日は、ありがとうございました。

PROFILE


竹内由恵(たけうち・よしえ)
1986年1月20日生まれ、東京都出身。東京での仕事と3歳男児と1歳女児の子育ての両立の日々。静岡県浜松市在住。趣味は、イラスト、コーヒー焙煎、ボクシング観戦。2006年 ミス慶応に選出。2008年4月テレビ朝日 アナウンス部に入社。08年~13年「ミュージックステーション」サブ司会(番組史上最長)、「やべっちFC 」、「スーパーJチャンネル」、「報道ステーション」を経て、19年、33歳で結婚を機にテレビ朝日を退社。21年第1子男児出産、2023年第2子女児出産。テレビ静岡「くさデカ」レギュラー、ニッポン放送Podcast station「竹内由恵のT-Times」、毎週木曜日配信、『Domani web』連載中!

DATA


『なんとかなるさ!ヨシエのとほほ、くすくす日和』
元テレビ朝日アナウンサー、初書籍!結婚、退職、移住、妊娠、出産……人生の岐路、めじろ押し 脱力系のゆるゆるマンガとエッセーを収録。¥1,650(税込)(祥伝社刊)
 


写真/松尾 夏樹
文/脇谷 美佳子

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