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【世界子育てトピックス6選】フランス版のランドセルから、ファーストヘアカットまで

世界の“子育て事情”をお届けするWORLD DAD JOURNAL。今回は、花柄やアニメなど個性が光るランドセル事情や、幼少期の終わりを告げるファースト・ヘアカットなど、6選を紹介する。

<目次>
1. オランダ「毎日気軽に自然散策へ 自然の中で子どもとの時間を育む」
2. フィンランド「『ムーミンの冒険メール』でユニセフとチャリティーコラボ」
3. フランス「花柄やアニメなど個性が光る フランス版ランドセル」
4. ドイツ「7歳からでも遅くない 選べる就学のタイミング」
5. アメリカ「幼少期の終わりを告げる ファースト・ヘアカット」
6. デンマーク「何を選び何を食べる?幼い頃から育む食の選択」

 

毎日気軽に自然散策へ
自然の中で子どもとの時間を育む

NETHERLANDS


©Tatiana Syrikova

オランダでは家から歩いていける場所に森や林、自然豊かな公園があるように街が作られている。仕事が終わった後の夕方や食後、「ちょっと散歩に行こうか」と気軽に家族で森へ出かけたり、週末に赤ちゃんや小さな子連れの父親や夫婦が森や公園をゆったり何キロも散策する姿は日常的な光景。遊具や整備された道がない分、木漏れ日や木の葉が風にゆれる音、鳥の鳴き声や小川を水が流れる音など、自然そのものを体感できるお出かけスポットである。


小さな頃から自然を身近に感じながら育つオランダの子どもたち。 ©Tatiana Syrikova

文:米屋香林

「ムーミンの冒険メール」で
ユニセフとチャリティーコラボ

FINLAND


年間購読12カ月でムーミンの冒険が完了する。言語は現在フィンランド語のみ。

フィンランド文学の人気キャラクター、ムーミンがユニセフと共に子ども向けの寄付プログラムを開始し、好評を博している。「ムーミンの冒険メール」という同プログラムでは、毎月ユニセフに寄付すると、5〜10歳向けのムーミンの読み物、子供の権利に関する話、ワーク、シールなどが郵送される。寄付額は17ユーロからで、それは36人分の子どもの麻疹ワクチン、栄養失調の子どもの食事2週間分などに相当する。生前ユニセフとコラボしたムーミンの作者、トーベヤンソンの意思はこのように引き継がれ、世界の子ども達をつなぐ活動を促している。

DATA

<ユニセフフィンランド公式Instagram>
www.instagram.com/unicef_finland

文:靴家さちこ

花柄やアニメなど個性が光る
フランス版ランドセル

FRANCE


フランスでは新年度が9月から始まる。夏のバカンスを終えて学校へ戻ることをフランス語で「ラントレ」と言い、8月になると各所で新生活の準備グッズが売られるようになる。なかでも日本のランドセルに相当するのが「カルターブル」と呼ばれる背負って使う横長の通学カバン。この時期になると店頭にさまざまなデザインが並ぶ。ただし通学は普通のリュックサックなどでも可能。各々の好みで通うのがフランスの小学生スタイルだ。


パリの百貨店ギャラリー・ラファイエットの子供向けフロアに並ぶカルターブルなど

文:守隨亨延

7歳からでも遅くない
選べる就学のタイミング

GERMANY


©Pixabay, Orca

ドイツの新学年は夏休み明けの8月または9月※から始まる。基本は満6歳で就学するが、7月から9月の間に生まれた子どもは1年延ばし、満7歳の小学校入学が認められている。その選択権は保護者にあり、学校や幼稚園側も無理に就学させようとしない。「幼稚園という遊べる環境になるべく長く居させてあげたい」「遅生まれだと周りについていけるか不安」などが主な理由だ。珍しくないため、子ども達は同い年でも学校に行く人と行かない人がいることを知っている。

※夏休みの期間は州によって異なる。


ドイツの小学生が入学式に持つものと言えば「シュールテューテ」(Schultüte)。カラフルな円錐の包みにはお菓子や文房具が入っている。 ©Pixabay, Anncapictures

文:町田文

幼少期の終わりを告げる
ファースト・ヘアカット

USA


1年が過ぎるまで髪を切ってはいけないなど、宗教によってファースト・ヘアカットの成り立ちはさまざま。

赤ちゃんが生まれて初めて髪を切る「ファースト・ヘアカット」。アメリカでは幼少期の終わりを告げる大切な節目として、髪があまりにも乱れてきたころや1歳の誕生日を過ぎたころ、父親をはじめ家族で赤ちゃんを美容室や理髪店に連れて行く。なかには、小さなパーティを開いたり、切った髪の一部をベビーブック(育児日記)に保存したり、病気の子どもたちのためにかつらを作るチャリティー団体に寄付することもある。子どもの成長に、思わず涙ぐむ父親も。

文:大山真里

何を選び何を食べる?
幼い頃から育む食の選択

DENMARK


デンマークでは、サステナブルな社会の実現へ向けた環境対策は様々な形と方法で行われている。例えば、コペンハーゲン市公立の全ての保育園・幼稚園で提供される食事は、オーガニック原材料の割合は90%以上である必要がある。政策としての取り組みだけでなく、デンマークの人々は世界で最もオーガニック食品を購入しているというデータが出ている。物によって異なるが例えば最も消費者に人気のあるオーガニック製品の果物や野菜においては、従来のものとオーガニックのものとでは数十円から数百円程度の違いである。


美味しく健康的で環境にやさしいものを食べる習慣を幼い頃から身につけるデンマークの子ども達。

文:Ayumi Umino


FQ JAPAN VOL.72(2024年秋号)より転載

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