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インタビュー

映画『屋根裏のラジャー』出演! 仲里依紗が感じた、大人になるということ

スタジオポノックが全世界に贈る待望の最新作『屋根裏のラジャー』が、12月15日(金)に公開! 人間に忘れられた想像たちが暮らす「イマジナリの町」に住む少女・エミリの声を演じた仲里依紗さんに、少女時代のことや親子間・夫婦間の「不思議」について伺いました。

ホラーもゾンビも大好き!
不思議な世界にぞっこん

「忘れていた子どものころの記憶が蘇る。そんな映画かな」。

仲里依紗さんは声で出演した映画『屋根裏のラジャー』をそう表現した。子どもの頃の記憶――覚えているだろうか。

仲さんが演じたのは、「イマジナリの町」に暮らす少女エミリ。人間に忘れられるとイマジナリの体は光の粒になって消えていく。

「エミリはしっかり者で、周りを巻き込む行動力があって、強くて優しくて。それと同じくらい悲しみも抱えていて。みんなより少し大人だけどまだ子ども。子どもだけど大人。そんな微妙な少女役でしたが、自然に演じられました」。

映画の中でエミリの悲しみは語られない。観る人がイマジン(想像)するのだ。

「私も子ども時代、イマジナリの世界に半分、足を突っ込んでいたかも(笑)。不思議の国のアリスの奇妙で不思議な世界にぞっこんでした。何度も何度も観て。ゾンビとか鬼とかホラーもすごく好き。子どものころ親とビデオ屋に行って、そうしたジャンルのビデオをカゴに入れると、ダメ! って怒られて。どうして観ちゃダメなの? どうして? なんで? と不思議でした」。


一番右が、仲さんが声を担当した“エミリ”。イマジナリの町でラジャーが出会う少女。

 

仲里依紗の遺伝子を継承
発言がまんま!?

「イマジナリの町」では、今日はベネチア、明日は長崎の出島、と好きなように移動できる。行きたい場所へ行き、願いを叶えることができるのだ。

「私がイマジナリの町に行ったら、ものすごーく高い場所、宇宙に行ってみたい。それからものすごーい大豪邸に住んで、それから自分専用の高速道路!」と、仲イマジナリワールドがパンパンに膨れあがる。

子ども時代、仲さんにもイマジナリフレンドはいたのだろう。どんな少女だったのだろうか。

「国語の時間に、教科書を順番に音読するのが嫌い。みんなの前でしゃべるのも嫌い。運動会と水泳大会も嫌い。人と競うのが嫌でした」と、まるでイヤイヤ期ど真ん中の幼児のようである。

「順位を決められたり、点数をつけられたり、1番2番と数字ではっきり決めつけられるのが嫌でした。みんなどうしてあんなに競争するんだろう? 別にしなくてもいいのに。そう思っていました。大人になると、数字で競うことがなくなるので、とても生きやすいです」。

自由奔放な仲里依紗のイマジナリ。その遺伝子を、息子がしっかり引き継ぐ。

「パパと運動会のかけっこの練習をしながら、『みんなどうしてあんなに競争するんだろう? 別にしなくてもいいのに』とつぶやいているのを見て、あ、一緒だ、って笑っちゃいました」。
 

夫婦間と親子間の「なんで?」
その正体が見つかる映画

仲里依紗の子ども時代の「どうして? なんで?」は今も健在だ。「朝言ったことを息子がまたやって、なんで? どうして? 何度言ったらわかるの? なんで? だけど、きっと息子も同じように『どうして? なんで?』と思っているんでしょうね(笑)」。

映画で観てほしいのは、その部分だと仲さんは言う。

「子ども時代の記憶は大人になるとどんどん忘れていきます。イマジナリフレンドは、大人になると見えなくなります。ちょっと哀しいけど、それが当たり前なんだと受け入れられました。それが成長するということなんでしょうね」。

映画にはイマジナリのラジャーをつけ狙う、ミスター・バンティングという謎の男が登場する。イマジナリを取り込んで、糧にしている男だ。バンティングは大人になってもイマジナリの存在が見えるのだ。

「バンティングはただ純真なだけなのかもしれません。だけど、『大人になることをちゃんと楽しまきゃ!』。そんなふうに思わせてくれる映画です」。

かつては、仲さんは夫に対して「どうして息子のオムツがちゃんとできないの? 漏れてるじゃん!」「なんで哺乳瓶がキレイに洗えていなの? 汚れているじゃん!」と二度手間になる「なんで、なんで?」が多かったが、今ではパパが息子の宿題を担当し、野球観戦に連れて出し、子育ての分野を広く担当するようになった。

「夫婦には、お互い得意分野があるんです。乳児期にパパができる分野は少なかったけど、今はある。私は宿題は一切見ません。なので本当に助かっています」。

『屋根裏のラジャー』を観ると、子どものころの記憶が蘇り、親子間・夫婦間の「なんで? どうして?」の正体の輪郭が、少しだけ見えてくるかもしれない。
 

DATA

映画『屋根裏のラジャー』12 月15日(金)全国公開!
映画『屋根裏のラジャー』ポスター
彼の名はラジャー。世界の誰にも、その姿は見えない。なぜなら、ラジャーは愛をなくした少女の想像の友だち-イマジナリ-。そんなイマジナリには運命があった。人間に忘れられると、消えていく。失意のラジャーがたどり着いたのは、かつて人間に忘れさられた想像たちが身を寄せ合って暮らす「イマジナリの町」だった――。

声の出演:寺田 心、鈴木梨央、安藤サクラ、仲 里依紗、杉咲 花、山田孝之、高畑淳子、寺尾 聰、イッセー尾形
原作:A.F. ハロルド(「ぼくが消えないうちに」こだまともこ訳・ポプラ社刊)
監督:百瀬義行
制作:スタジオポノック
配給:東宝
HP:『屋根裏のラジャー』公式サイト

© 2023 Ponoc

 

PROFILE

仲 里依紗
仲里依紗
1989年生まれ、長崎県出身。ドラマや映画、CMなどに出演するほか、自身がプロデュースするファッションブランドもスタート。InstagramやYouTubeでは、家族との私生活が垣間見える投稿も話題に。2024年1月スタートのTBS系金曜ドラマ「不適切にもほどがある!」に出演。
 


写真/松尾夏樹
文/脇谷美佳子
スタイリング/黒瀬結以
ヘアメイク/近藤志保(reve)

衣装:ニットトップス ¥83,600、パンツ ¥47,300(共にKIDILL/SakasPR 03-6447-2762)、ピアス ¥4,070(Matilda rose/Matildarose www.matildarose-online.com)、ネックレス ¥20,800/Elpe visible、左手中指リング ¥17,600/masae、左手薬指リング ¥27,500/maaa、右手中指リング ¥27,500/Thalatta、右手薬指リング ¥16,500/AmitieCREDIR(以上全てRHODES 03-6416-1995)、その他スタイリスト私物

FQ JAPAN BABY&KIDS VOL.67(2023-24年冬号)より転載

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