ベッキー「嬉しいや楽しいだけじゃない五感で感じる体験を」等身大の子育て
2021/12/29
「子育て中はキラキラしてられない」。バラエティ番組内での赤裸々な『子育ての本音』がママやパパの共感を呼び、第14回ペアレンティングアワード・ママ部門を受賞したベッキーさん。飾らないありのままの子育て事情と、子供たちへの願いを聞かせてもらった。
人の支えがないとできない
子育てのリアルと等身大の悩み
10代の頃からタレント、女優、歌手とマルチな才能で活躍を続け、長年芸能界をけん引してきたベッキーさん。そんな彼女もいまや2児のママ。子育てに、仕事に奮闘中だ。バラエティで見せる器用な立ち振る舞いから、育児も仕事との両立も上手にこなしていると思えるが、多くのママたちと変わらず悩みを抱えていた。
「子育てと仕事の両立、全然できてないと思ってて。これでいいのかなと日々悩みながら子育てをしています。だから、人の支えがないと絶対に無理!仕事のときは、母やマネージャーさんに見てもらったり、上の子の送り迎えは夫が行ってくれたりと、みんなの助けをもらいながら頑張っています」。
これまで育児は母親の仕事とされ、頑張ることは当たり前とされていたが、それがどれほど大変なことか、等身大の言葉で発信するベッキーさん。育児のありのままの姿を伝えてくれる存在は、まさにママたちの心の代弁者と言えるだろう。しかし、子育ての大変さが仕事にもいい影響を与えてくれることもあるそう。
「子供が生まれる前は、台本を読み込んで何度もシミュレーションをして仕事に臨んでいましたし、終わった後も反省する時間が長かったんです。だけど、いまは仕事が終わったらママとして子供たちに向き合わなければならない。くよくよしてる時間はありません。仕事にかける時間が減った分、いい意味で切り替えができるようになったと思います」。
優先順位が仕事から子育てにシフトすることで、仕事へも気楽に望めるようになりポジティブな変化が生まれた。その反面、変わらないことはというと。
「パズルゲームのアプリが大好きで(笑) 絶対にこの時間だけは守るようにしていますね。いまは、夜間授乳のときは息抜きだけでなく、目覚ましの代わりとしても役に立ってます」
嬉しいや楽しいだけじゃない
五感で感じる体験を
わが子には楽しい毎日を送ってほしい。それはすべてのパパ・ママの願いであるが、ベッキーさんは「嬉しいや楽しいだけでなく、痛い、汚いといった体験もさせてあげたい」と話す。
「綺麗なことだけじゃなくて、どろんこ遊びって汚れるけど楽しいね、雨に濡れると寒いんだねって、五感で感じる色々な体験をさせてあげたい。そして、悲しいことや辛いこともいい勉強になったと思えるようになればいいなと思います」
自身の幼少期もアクティブだったというベッキーさん。運動会では、どんどん汚しておいでねとお母さんに送り出されていたという。いまやインターネットで調べればなんでも知れる。しかし、自ら体験しないとその実態はつかめない。失敗からや辛い経験から学ぶことで本当の意味での理解に繋がり、子供たちの生き抜く力を養うのだろう。子供たちが自分の頭でわかるようにベッキーさんは伝え方にも心がけている。
「例えば、お気に入りのお菓子をひとつ分けてくれたとき、裏のストーリーを読み解くと、大事なものだけどママに喜んでもらいたくてくれるってことじゃないですか。そういうときは、しっかりと気持ちを言葉にして『ありがとう!』って誉めてあげるようにしています。逆に叱るときも『ごめんなさいは?』って言わせるんじゃなく、なんで怒っているのか、理由を言葉にして、感情を伝えるように心がけています」。
いましかない輝きを見逃さない
子育てに積極的な参加を
子育ては発見の連続。昨日できなかったことが今日できることもある。ベッキーさんもつい最近、子供の成長の瞬間に出会った。
「子供と行った美容室にベビーシッターの派遣サービスがあって。シッターさんが外に散歩へ連れて行こうとしてくれたんですが、いつも絶対泣くから断ろうと思ったら泣かなくて。親の決めつけで子供の可能性を狭めてはいけないって思いましたね」。
ついつい「この子はこうだから」と、決めつけてしまいがちだが、わが子の可能性を広げるためには挑戦を見守る姿勢が大切だ。子供のできることが増えれば子育ての負担も軽くなり、さらに子育てそのものを楽しくしてくれるだろう。
最後に、これから育児に積極的に参加しようとしているパパたちへメッセージをいただいた。
「お仕事をバリバリやってきたパパたちってみんな口をそろえてもっと子育てに関わっておけばよかったって言う印象があって。子供にはそのときにしかない輝きがあるので、その瞬間を見逃すのはもったいないと思うんです。あとで後悔しないためにも、早いうちから育児に参加してもらいたいなと思います」。
PROFILE
ベッキー
1998年「おはスタ」でデビュー。以降テレビ・映画・ラジオ・雑誌・CMなどで幅広く活躍。現在Instagramのフォロワー数が約126万人、Twitterが約195万人。LINE公式アカウントのフォロワー数は約328万人。カラフルなアクリル画が印象的な「Becky art」も人気。
取材・文/FQJAPAN編集部
写真/藤記美帆
スタイリング/永田彩子
ヘアメイク/佐伯エミー