最終回間近! ドラマ『極主夫道』でスーパー主夫を演じる玉木宏の“理想の父親像”とは?
2020/12/04
「主夫、舐めたらあかんで」というセリフの流行と龍さん愛用のエプロンの売り切れ続出。裏社会に数々の伝説を残した元“最凶”極道・不死身の龍と恐れられたスーパー主夫を演じる玉木宏が、日曜夜に大奮闘!
今ちまたで主夫ブーム!?
一家に一人、不死身の龍
めちゃ可愛い手作り弁当から、掃除、洗濯、三度の食事作り、PTA役員会への出席、通学路の見守り当番、DIY、手作りケーキで妻の両親のおもてなし……と、家のことを完璧にこなす最高にクールな夫。そんな男が、ここにいる。それが、玉木宏演じる元極道のスーパー専業主夫、“不死身の龍(たつ)”だ。
家事に懸命にいそしむ理由はただ1つ。「愛する家族の笑顔のため」。
このドラマが始まった10月から、「こんな夫 、我が家にも欲しい!」とママたちばかりか、パパたちの間でも話題を呼び、シミ抜きも料理もすべて全身全霊、真っ直ぐ懸命に挑む龍の「主夫、舐めたらあかんで」というドスの利いたセリフは、子育てファミリーの間で密かなブームになった。
11月8日放送の、極道の龍とシングルマザーの美久の馴れ初めに視聴者は沸騰し、Twitterでハッシュタグ「#極主夫道」がトレンド1位になる反響となった。
実際の玉木さんの家事はいかがだろう。
「撮影に入ると家にいない時間が多くなります。だから逆に家にいる時は、できるだけ家事はやろうと思っています。子供が生まれると大変なことも多いので。料理、掃除、なんでもやります。今朝はゴミ出しをしてきました」
龍の風貌は、全身ダークスーツにハードボイルドな中折れハット、額に刀傷、ティアドロップ型のサングラス。そして、柴犬キャラクターがプリントされたエプロン。その姿は、漫画キャラクターがそのまま現実世界に現れた高い再現性である。
むちゃくちゃクールでカッコ良く、龍さん愛用のエプロンはオンラインショップで売り切れ状態。玉木さんばりの主夫を目指すパパが増えているのだ。
ただ家事ができる人ではなく
気持ちを支えてくれる人
かつて裏社会に数々の伝説を残した元“最凶”極道・不死身の龍と恐れられたスーパー主夫というエキセントリックな役をどう作り込んでいったのだろう。
「構えずに臨みました。台本に沿って龍をそのまま真っ直ぐに」。
妻のために極道から足を洗って専業主夫の道を選んだ男の任侠コメディーだが、龍の実直さを真っ直ぐ演じた。
「このドラマには、誰かを否定したり、ネガティブなことを言う人間は登場しません。それっていいなあ、と思う。登場する人たちは、みんな真っ直ぐ。勘違いぶりも真っ直ぐ。うまく噛み合わないその“ズレ”が面白いんです」。
確かに人間関係のすれ違いは、真っ直ぐな人の想いのぶつかり合いだ。
「自分自身のネガティブな部分は、極力無くそうと思って生きています。もしも星座占いで、今日のあなたは12位、と言われても、見なかったことにすればいい。ネガティブなことは、拾おうと思えばいくらでも拾いに行けるけど、それを見なければいいんですよ」とクールだ。
夫婦関係も人間関係も、ネガティブなことは見ない、それが重要だ。
「楽しいことだけをやっていこう。そういう発想しかないです」。
この想いは、今から16年以上前に出版した玉木宏ファースト・パーソナルブック『white』から変わっていない。「その時々で楽しめることができればいいんだ」と。そして、「弱い部分を支えてもらいたい。ただ料理ができる、洗濯ができるとかではなく、気持ちを支えてくれる人」と書いている。まさに不死身の龍そのもの。スーパー主夫とは、家族の気持ちをしっかり愛情で支えているところがスーパーなのだ。
最後に理想の父親像について聞くと一言、「子供に合わせられること」と答えた。どういう意味か尋ねると「目線とか、考えとか、子供に合わせる。親の理想を押し付けない。あーしなさいこーしなさい、と口で言うのは簡単だけど、きっとできる、と思って言わない。そういう姿勢がやっぱり大切かな」。
今年40歳を迎えた俳優・玉木宏。1児の父となり、ますます磨きがかかってきている。
DATA
ドラマ「極主夫道」
読売テレビ・日本テレビ系で毎週日曜22:30~ 放送中
裏社会に数々の伝説を残した最凶の極道、“不死身の龍”。そんな彼が極道から足を洗い、選んだ道は、なんと専業主夫だった!
事件に巻き込まれた、愛する町と家族を、龍は守り抜くことができるのか――?
全ての家族に全力でツッコミながら見てもらいたい仁義なきヒューマン任侠コメディ!!
出演:玉木宏 川口春奈 志尊淳 古川雄大 玉城ティナ/滝藤賢一/稲森いずみ 竹中直人 ほか
原作:おおのこうすけ「極主夫道」(新潮社)
制作著作:読売テレビ
HP:【公式】極主夫道
©読売テレビ
PROFILE
玉木 宏
1980年、愛知県生まれ。スカウトがきっかけで芸能界入り。主な出演作に、連続テレビ小説「こころ」「あさが来た」、TVドラマ「愛し君へ」「のだめカンタービレ」シリーズ、映画『ウォーター・ボーイズ』『ROCKERS』『ただ、君を愛してる』『MW-ムウ-』『マダガスカル』シリーズ(日本語吹き替え)、ほかナレーションやCM、カメラマンとしてなど多方面で活躍中。2021年公開待機作に『HOKUSAI』がある。2018年に結婚、1児の父。
写真:松尾夏樹(大川直人写真事務所)
取材・文:脇谷美佳子
スタイリング:上野健太郎(KËN OFFICE INC.)
ヘアメイク:渡部幸也(rilla)
衣装:コート¥52,000(ユナイテッドアローズ)、ジャケット¥68,000(バレナ)、ニット¥23,000(カモシタ ユナイテッドアローズ)、パンツ¥20,000(セラードア)/すべてユナイテッドアローズ六本木ヒルズ店 03-5772-5501
FQ JAPAN VOL.57(2020年冬号)より転載