パパも当たり前に育休を取れる社会へ! 東京都が「企業向け給付金」で後押し
2019/10/09
女性に比べて育休を取得しにくい男性。いまだに育休を取得する男性に対する風当たりはきつい。そんな現状を変えるため、東京都が男性の育児休暇を取得させた企業に対する奨励金を開始。制度の概要や働くパパのリアルな声を紹介していく。
あなたは奨励金を
勧める派?勧めない派?
働くパパママ育休取得応援奨励金「働くパパコース」と名付けられたこの奨励金は、男性に育休を取得させた企業に奨励金を支給するというもの。
社員が休むことで企業が受ける負担を一部補填するものだが、働くパパたちの反応はどうだろうか。
東京しごと財団雇用環境整備課は、働くパパを対象としたアンケートを実施(有効回答数102)。
その結果「奨励金を勧めたい」と回答したのは61%、「奨励金を勧めない」と回答したのは39%という結果になった。
「勧めたい」と回答した理由は、「育休取得のきっけかになる」「育休取得しやすい雰囲気になる」など前向きな意見がみられた。
一方「勧めない」と回答した理由は「復帰後の昇進の恐れを懸念する」「会社が育休に否定的」などで、男性が育児休業を取得する土台がいまだ整っていないように感じさせられる結果となった。
奨励金の制度って
どんなもの?
制度の概要は、男性に育児休業を取得させた日数に応じて、企業に奨励金を支給するというもの。金額は25~300万円で、取得から15日ごとに25万円が加算される。
対象となる事業者は都内企業に限るが、企業規模は不問。対象となる従業員は都内在住かつ在勤に限定している。その他条件は下記のとおり。
奨励対象事業者
●都内企業であること(企業規模不問)
●都内勤務の雇用保険加入労働者を2名以上かつ6か月以上継続雇用していること
●男性従業員に育児休業を取得させたこと
対象となる従業員
●都内在住かつ在勤していること
●雇用保険に加入していること
●子が2歳になるまでに連続15日以上の育児休業を開始し、終了したこと
●育児休業から原職復帰後、継続して雇用されていること
まだある伸びしろ
育児休業
本制度は、男性の育児休業取得を推進するために企業を支援するという新しい試みだ。今まではパパ・ママを直接支援する制度が多かったが、男性が育児休業を取りにくい社会風土がネックとなり、取得率が伸び悩んでいた。せっかく大勢のパパが育児参加への意志を持つ中、育児休業を実現できていないのはとても勿体ない。東京都限定の施策ではあるが、企業が集中している都心部から行うことの意味は大きいと考えられる。