【男性育休体験談】早めの休暇相談がカギ!キャリアアップにも繋がる長期育休の魅力
2023/12/27
わが子とのかけがえのない時間を過ごすための男性育休。そんな黄金のような体験をした先輩パパの育休と子育ての体験談をお届け。今回は1年間の長期育休取得を決断したサッポロビールの蟹山さん(仮名)に、スムーズな休暇取得のコツと子育ての様子を伺った。
2016年サッポロビールに入社。近畿圏本部、東海北陸本部で労務担当業務従事。2021年に人事部へ異動し、給与計算・社会保険業務に従事。2023年に第1子の誕生を機に、出産予定日から長期育休取得を決断。「早めの休暇相談は会社にも自分にも余裕が産まれます!」
出産前から上司へ相談
1年間の育休取得を決意
元々、育休を取得したいと考えていた蟹山さん。当初は1ヶ月弱の予定だったがある転機が訪れる。「担当業務が変わることになり、このタイミングであれば休暇中の業務も引き継ぎやすいだろうと。また、長期的に育児に携わりたいと考え、1年間の育休取得を決断しました」。奥様に相談したところ、金銭的な不安よりも2人で育児に望めることを喜んでくれたという。
職場の反応はどうだったのだろうか。「上司からは『応援しています』と温かいお言葉をいただきました。妊娠前から子どもができたら長期の育休取得をしたいと相談していたことも、スムーズに取得できた理由だと思います」。
育児を通して直面した
想像以上の時間の制約
「授乳は2人体制で行っていますが、準備も含め1回あたり1時間程かかります。新生児期だと1日7~8回あるので、授乳だけで1日仕事をしているのと変わりありません。加えて、家事や他の育児があるので、気づいたら1日が終わっていることも。そのため妻と予定を細かく管理して、時間の効率化を意識しています」。どちらかの授乳の合間に買い物や仮眠をするなど時間を無駄にしないことを心がけているそう。
一方で時間をかけているのが夫婦の対話だ。「毎日一緒にいてもちょっとした行動や言動で喧嘩になることもしばしば。大好きな妻ですが、考え方は全て同じではありません。なので、感じたことはしっかり言葉にして、コミュニケーションをとっていくことが育児期にこそ大切なことだと思います」。
キャリアアップにも繋がる
ぜひ長期の男性育休取得を
新卒で入社後、キャリアを重ねてきた蟹山さん。今回の育休取得はむしろキャリアアップに繋がっていると確信している。「私は他の会社で働いたことが無いので、会社を離れて全く新しい視点を獲得できたのは大きな経験だと感じています。赤ちゃんの育児は、一生に何度も経験できることではありません。父親としての人生を豊かにしてくれる子育てを存分に味わうためにも、長期間の育休取得をオススメしたいですね」。
子育てで鍛えられたと思う能力
育休中の収入を見える化して不安を解消!
サッポロビールの長期取得を後押しする施策とは
サッポロビールが行った社内調査※によると、男性社員の多くが育休取得に当たり『収入面への不安』を持っていることが判明。そこで、サッポロビールでは安心して長期の育休取得を検討できるよう、収入シミュレーションツールを作成した。
実際の本人の給与明細を活用して、1ヶ月当たりの手取り額と希望する育休取得日数にあわせて育児休業給付金の額が確認できる。今後は取得率だけでなく、取得日数を伸ばすために、パートナーの妊娠が分かったタイミングで休暇取得を報告できる仕組みを準備しているという。
※社員を対象にした育休に関するアンケート調査。2021年実施。
FQ JAPAN VOL.69(2023-24年冬号)より転載