フランス人の結婚は3通り。自分らしさが見つかる夫婦関係
2015/03/16
日本とフランスの夫婦関係で決定的に異なるのは、どんな夫婦関係をとっても世間の偏見がないということ。そしてフランスで夫婦とは、「完全なるパートナー」である。
FQ JAPAN12月1日発売号にて特集した「夫婦のカンケイ」。いろいろな夫婦の、いろいろな幸せのカタチを取り上げたが、世界に目を向けるとその多様性は更に広がっている。
編集部に寄せられた各国のレポートから、誌面で紹介しきれなかった部分も含めて、日本とは全く違う「結婚」のカタチを紹介しよう。ここではフランスの2組のカップルを取材!
from France
フランス人の結婚は3種類 自分のスタイルで幸せになる!
それぞれに合う関係を選び 理想の夫婦への道を模索する
フランス人は結婚のカタチを選ぶ。「ユニオン・リーブル」「PACS(パックス:連帯市民協約)」「結婚」という3種類の夫婦関係があるのだ。
ユニオン・リーブルとは法的手続きを行わない夫婦(事実婚)のこと。PACSとは成年のカップル間で、安定した持続共同生活を営むため交わされる契約のこと。結婚より規制が緩くユニオン・リーブルにはない法的権利を受けられる。結婚とは通常の婚姻関係のこと。ただし結婚は日本より法律的条件が厳しく、例えば離婚には、両者とも必ず弁護士を立てる。
現在は同性間でも結婚できるが、PACSはもともと婚姻関係を結べなかった同性カップルへの措置だった。それが結婚の法律上の煩わしさから、異性間でもPACSを選ぶカップルが増えたのだ。
日本とフランスの夫婦関係で決定的に異なるのは、どんな夫婦関係をとっても世間の偏見がないということ。そしてフランスで夫婦とは、「完全なるパートナー」である。相手がパートナー足りえる場合はずっと一緒にいるし、足りえない場合は子供がいようがきっぱり別れる。そのため夫婦になっても男は男として、女は女として自立している。自分のスタイルを貫くのがフランス流の幸せのカタチなのである。
フランスの共働き夫婦
夫・アントワーヌさんはIT技術者として、妻・美香さんはパリに飲食店を2軒経営するオーナーとして、バリバリ働く猪原ダムクール夫妻。
育児には夫婦の協力が不可欠だが、アントワーヌさんは子育てや家事を全面的に引き受ける頼もしい存在。仕事の休憩中に妻の職場に顔を出し、手伝ってくれることもあるという。美香さんが語気を強めてもアントワーヌさんは怒らず、最後はジュテーム(愛している)とおさめるジェントルマンだ。
心が広く、異なる生活文化を全面的に理解してくれる夫の優しさに、妻はいつも負けてしまうのだという。
▼平日のタイムスケジュール
8:00 | ◆◆起床 |
---|---|
9:15 | ◆長男を保育園へ送って出勤 ◆長女と出勤。2時間おきに授乳しながら仕事をする |
12:30 | ◆昼食休憩中に美香さんのお店へ。 週に1回程度は育児や仕事を手伝う。 |
17:30 | ◆仕事を終えて長男を保育園へ迎えに行く ◆仕事を終えて帰宅 |
20:00 | ◆◆家族で夕食を摂る ◆長男と長女をお風呂にいれる |
21:00 | ◆子守唄で長男と長女を寝かしつける |
21:00 | ◆子供が就寝したのを確認して仕事 |
25:00 | ◆◆就寝 |
【プロフィール】
夫:アントワーヌ・猪原・ダムクール(38歳・IT技術者)
妻:美香・猪原・ダムクール(38歳・飲食店オーナー)
長男:マテオ(2歳2ヶ月)
長女:マノン(2ヶ月)
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