時事・コラム

我が子を幸せにする方法は?「世界の教育」から日本の親が学べること 

近くにモンテッソーリの園やイエナプランの学校がなくても、子供との関わり方にこれらの教育法の視点をとりいれることはできる。そのとき重要なのは、"わが子"だけのことを考えるのではなく“よその子”のことまでを考える視野だ。

わが子を”勝ち組”にしても
わが子は幸せになれない

モンテッソーリ教育を受ければ中学受験で有利になるのかとか、イエナプランを採用すれば国際学力調査で世界1位になれるのかとか、そんなことはない。

子供たちは一人一人違うことを前提に、もって生まれた個性をそれぞれに伸ばし、提供し合い、主体的に新しい社会の枠組みをつくることのできるひとたちを育てようというのが、これらの教育法に共通する理念である。

わが子の教育について考えていると、ついわが子を”勝ち組”にするための教育を考えてしまうのが親の性ではある。

テストで高得点をとることを”勝ち”とするならば、大量の課題をこなす処理能力と忍耐力、そして与えられた課題に疑問を抱かない力が有利に働く。この3条件をもつひとが、日本の受験システムの”勝ち組”になりやすい。

しかし「それって意味あるんだっけ?」「そのルールを変えません?」と、ここに紹介した世界の教育法は私たちに問いかける。実際、世の中の親が、わが子を”勝ち組”にすることだけを考えているようでは、わが子は幸せになれない。わが子を含む次世代の子供たちみんなが幸せになれるような社会をつくるための教育をいまからしていかないと、不幸な社会の中で、わが子も共倒れになってしまうからだ。

どんな社会を目指すべきか。

そこで掲げられているのがたとえば国連の「SDGs(世界を変えるための17の目標)」である。

これを教育の現場で子供たちに考えさせることにより、子供たちが自らの力で新しい社会のあり方を見出せるように導くのだ。

大人が「答え」を授けるのではなく子供たち自身が、自分たちが将来直面する課題に対する「答え」を時間をかけて見出すサポートをするのが大人たちの役割だ。それがこれからの学校の役割であり、教育の意味である。

日本の学校がここに紹介したような学校とは大きく違う状況にあったとしても、親の心のなかにモンテッソーリやシュタイナーやフレネやサドベリー的視点があれば、不足を補うことができ、子供は「自分らしく」育つ。無数にある幸せになる方法、社会の役に立つ方法のなかから自分なりの方法を見出すだろう。


TEXT:TOSHIMASA OTA

FQ JAPAN Vol.51より転載

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