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香山リカ先生に聞く! 子供の貧困問題を断ち切る3つの視点

銀座・泰明小の制服が「アルマーニ」であることが「高すぎる!」と世間から批判を受けた。その一方で、子供の貧困が問題になるなど、かつて一億総中流と言われた日本で「格差」が生まれている。この格差の問題を父親としてどのようにとらえ、考えていくべきか、香山先生に聞いた。

子供の貧困問題は
表からは見えにくい

厚労省が2017年6月に発表した「国民生活基礎調査」によると、日本の子供の7人に1人が相対的貧困状態にあるとされています。

相対的貧困率は、貧困線を下回る可処分所得しか得られない人の割合で決められているものです。貧困線は一人当たり可処分所得の中央値の半分で表されています。

飢えるほどではないケースが多く、また生活保護などのセーフティーネットにひっかからないこともあるので、表面上からは見えにくいという問題があります。

身なりはわりと普通だけれど、実は相対的貧困状態ということもあるのです。経済的に苦しい状態にあると、日々の生活に手いっぱいで、子供の健康が後回しになることもあります。

大阪府の歯科協会では歯の状態が極めて悪い子供と、貧困の関連性を調査しました。その結果、貧困家庭の子供は、歯が悪いまま放置され、食事も満足にできず、健康を害するマイナスの循環が起こりやすいことがわかりました。

医療費助成があることを知らない、もしくは知っていても子供の健康に関心を持つ余裕がない親の存在がうかがえます。

無関心はもちろん
過干渉も問題

子供の貧困に関する話で、最近とても驚いたのは、生の肉や魚を見たことがない子供がいるということ。いつもコンビニに売っているものしか食べたことがないので、加工する前の状態を知らないそうなのです。

お弁当に入っているハンバーグは食べたことがあるんだけれど、それが肉だと知らないから、「お肉を食べたことがない」と思い込んでいる子供もいるのだとか。そのくらい、想像を絶する食生活をしている子供たちもいます。

子供に関心を持つ余裕がない親がいる一方で、過干渉の親も見受けられます。

たとえば、子供のために遺伝子検査をして、その結果に基づいて習いごとをさせるとか、子供の気持ちを置き去りにして、「あなたのためだから!」とインターナショナルスクールにいれてしまうとか。

子供に惜しみなくお金を使いますが、そのことが結局、子供の人権を侵害してしまうことにつながりかねないと思います。無関心はもちろんよくないし、かといって過干渉になりすぎるのも問題です。

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