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子供の友人トラブルを深刻化させないための親の心得

SNSが発達したことにより、子供の友人トラブルの形が変化してきている。そのため大人たちは、トラブルがあると気づいた時にも、その深刻度合や対応が分からず、なかなか子供を助けてあげることが出来ないのではないだろうか?精神科医・香山リカ先生に、今からできる親の関わり方について聞いた。

被害者側もいじめの事実を
「認めたくない」という心理

「いじめ」という名前が付くまでは、何が起こっているのかわからないというのが、いじめの難しい問題です。学校でいじめに関する事件が起こったとき「なぜ先生は何もしなかったのか」と叩かれることがありますが、生徒たちがしていることをいじめと認識できなかったのが実際のところではないでしょうか。

たとえば、クラスに1人、みんなにからかわれている男の子がいるとします。そのなかには、男の子をからかう役、それを見て笑う役、ヤジを飛ばす役など、1人ひとりに役割ができて、お約束のネタで楽しむ「劇場」のような感じになる。「いじめなんてやめろよ」なんて言う子は、場がシラけるから疎んじられます。それに、いじめている側は都合よく解釈するんです。「違うよ。あいつも一緒に楽しんでいるんだよ」と。怖いのは、いじめている側の子供たちに悪気がないこと。被害者が仮に自殺未遂を起こしても「どうして?」と思うかもしれません。

「親がガッカリするから」
相談できない子供たち

一方で、いじめられている子にも、両親に相談しにくい理由があります。「自分がいじめられていることで、親がガッカリするんじゃないか」と考えたりするからです。
子供の思考回路は、大人とは違います。たとえば私は子供の頃、ブランコで遊んでいて、着地するときにバランスを崩し、手の指の骨を折ってしまったことがあります。でも、親に言えなかった。「ブランコで危ない遊び方をしたことを責められるんじゃないか」と思ったからです。
もちろん、ケガを隠していたことを叱られたのですが……。いじめを隠す子も同じような心理が働いている可能性があります。だから「いじめ」は表に出てこないし、出てくるのは本当に問題が深刻になってからになりがちなのです。

発見しづらく広がりやすい
ネット上のいじめ

以前まで多かった、暴力や悪口によるいじめではなく、最近は「LINEの無視」など、コミュニケーションのいじめが増えています。こうした関係性のなかでのいじめは、実態をつかむのが本当に難しい。悪口を言ったとか、書いたとかならまだわかるけれど、無視されている場合は、なんの記録にも残りませんから。

見えないいじめは、子供をどんどん疑心暗鬼にします。「悪口言っているんじゃないか」とか「死んだ方がいいと思われている」とかありもしないことまで考え始めてしまう。精神的にも未熟だから、スルーすることができないのです。復讐のために死のうと考え、突発的な行動に出てしまう子供もなかにはいます。
ネットの中の出来事とか、教室の空気と雰囲気のようなよくわからないものを気にし出したらキリがないので、問題が起こる前に、周りの大人が遮断してあげないといけません。ネットを見ないようにするとか、外に連れ出して気分転換させてあげるとかですね。リアルの世界で、生きる自信を取り戻せるように、支えてあげるべきです。

 

 

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