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昆虫採集にテント設営……子育ては親子キャンプで!

テント設営は全体のイメージを
理解させて自分で考えさせよう

キャンプをするためには、ここで火をおこしてご飯を作るか、どこで水を工面するか、トイレはどこにするかなど、いろいろ考えてテントを張る場所を決めないといけないですよね。そもそも子供を賢くするためには、子供が全体のイメージを描いているかが重要です。

全体の見通しをはっきりさせたうえで、次は何をしたら良いかを自分で考えさせる方が子供は育つ。キャンプはまさにこうした教育の機会にうってつけです。親がカッコイイということを見せるのが目的ではなく、子供がいろいろ工夫してできるように体験させてあげることを目的にしましょう。

メラメラ燃える焚き火を
子供と一緒に眺めてみよう

親子で火を囲んでいるときは、人間同士として率直な会話ができる貴重な時間。「火ってあったかいな」とか、「最近、幼稚園でどうだ」とか、いろんなことを語り合えます。

真ん中に「火」という文明の象徴があると、人は不思議と謙虚になれる。黙っているだけでも良い。一緒にメラメラしている炎を見ているだけで、親と子供が理解を深められて、すごく良い体験になります。ただし、火が点かないとか、上手くいかないことも多いので、しばらくは大変ですけどね(笑)。

そんな時は失敗をむしろ上手に活用して、「上手くいかないね、どうしようか」と子供と考える。一緒になっていろいろと試すことが私はすごく大事だと思います。

家族それぞれが一生懸命に
一緒に苦労してやり遂げる

30年ほど前、「お父ちゃん、庭ってなぁに?」と子供に聞かれたことがありました。自然と人間がどうやって共存していくかが課題になってきている時代に、庭に自然を感じられていないんだと分かって、その時はちょっとショックでした。
そこで、自然をもっと体験させなければと考え、何年間も土日は例外なく自然の中に連れていくようにしました。3人の子供たちが10歳、5歳、3歳くらいのときには、ほとんど自分たちの手で八ヶ岳に別荘を作りました。親に借金をしながらだったので、できた家は総檜ではなく〝総借金〞の家です(笑)。

2月のある日に行ってみると、雪が降っていて中に入れないということがありました。しょうがないから、スコップを取りに行き、家族全員で雪をどかすことに。18時に始めて終わったのは夜中の22時。道ができた時の満足感、家族で喜んだ時の感動。

僕はその時初めて〝家族する〞ということは、こういう事だと思いました。その時は指示も命令も何もなし。それぞれが一生懸命に苦労して一緒にやり遂げる。家族とはそういうものだという気がします。

 

PROFILE

汐見稔幸 TOSHIYUKI SHIOMI

東京大学名誉教授、白梅学園大学学長。専門は教育学、育児学、教育人間学。近著は『新装版 0~3歳 能力を育てる 好奇心を引き出す』(主婦の友社)など。
3人の子を持つ父として子育てをした経験から父親の育児への参加を呼びかけている。


FQ JAPAN VOL.43(2017夏号)より転載

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