時事・コラム

あなたの上司はイクボス? 結果を出したイクボス3つの事例

2016年10月、世の管理職のロールモデルとしてふさわしい人物を表彰するイベント「イクボスアワード2016」の表彰式が開催された。「イクボス」とは、部下のWLB(ワークライフバランス)を考え、その人のキャリアと人生を応援しながら、自身も仕事を楽しみ業績をあげている上司のこと。

イクボスがもっと評価され
それを目指す人が増える社会に

「イクボスアワード2016」の顧問を務める安藤氏は、これからのイクボスについてこう語る。
「イクボスの評価は、今後、企業内でも高まっていくはずです。既存のイクボスは更なる自己改革を、そして『自分もそうなりたい!』とイクボスを目指す人がもっと増えて欲しい。そうすれば、日本の会社はもっと楽しく、クリエイティブに働ける場所になっていくと思います。

女性職員の離職が
ぼぼゼロに!

青森県警察 弘前警察署長
齊藤重光さん

仕事上のストレスで健康を害したことによって、仕事と家庭というものを真剣に考えるようになりました。また、本県警察のWLBの推進を担当する所属長となったことが、「イクボス」を考えるきっかけとなりました。

現在は、結婚や配偶者の出産予定がある職員は、署長室に報告に来るようにさせ、一緒に休暇計画書を作成し、各種休暇の取得を促すようにしています。

私たちの職場は伝統を重んじ、大胆な制度改正が不得意な職場だと思っていました。しかし、幹部の意識改革的な視点をもって取り組んできたことが実を結び、今では結婚や出産を機に退職する女性職員はほとんどいなくなりました。当署においても男性警察官の育児休業所得第1号が誕生し、WLBが徐々に浸透してきたことを嬉しく思っております。

ここがスゴイ!
★県警初のWLBの提唱
★部下に寄り添ったイクボスとしての行動

from ANDO
公務員の方は責任感が強く、仕事を抱え込み休まない傾向があると思う。それを打破するにはやはり上司がイクボスになること。齊藤署長は口先の配慮だけでなく部下が休みやすい仕組みを作った。警察官でも男性育休が取れることを示した点も画期的。

iPadを有効活用
して情報共有!

戸田建設株式会社 東京支店
建設工事5部長
森田 誠さん

ゼネコンの現場で働くということは、現場監督をするということ。現場に関係する多数の人々をマネジメントすることによってイクボスに近づけたように思います。会社の制度以外ではiPadの活用による情報共有を行い、「業務の見える化」を推進しています。そして3ヶ月先までの休日を全員で共有し、お互いに休みやすい雰囲気づくりも心がけています。

私が解釈するイクボスの理念は「チームに携わる者が同じベクトルでお客様の思いを具現化し、その結果、ひとりひとりの社員はもちろん、関係する皆が幸せを胸に成長する」ことです。イクボスになって自身の掲げるベクトルを共有する輪が広がっていくことを実感しています。イクボスの役割は子育てに通じるものがあり、大変ですが非常にやりがいを感じています。

ここがスゴイ!
★「業務の見える化」による風通しのよい組織作り

from ANDO
イクボスは業務改善にも余念がない。情報端末を活用しリアルタイムで情報共有、業務の属人化も防ぎます。森田部長は子育て真っ最中で子供の誕生日は早く帰るそう。上司がプライベートを開示し実践すると部下のWLBに対する意識も高まります。

自ら率先して
在宅勤務を開始!

P&Gジャパン株式会社
経営管理本部
アソシエイトディレクター
鷲田淳一さん

40代になり子供が生まれたことをきっかけに週に1回在宅勤務をとる働き方に変えました。部長級の自分が、在宅勤務を利用してビジネスで結果を出せば、ほかの社員(男性も含め)も利用しやすくなり、組織に良い影響を与えることができるのではという想いがありました。

現在は、部下の個人面談を2週間に1回、1時間ずつ、仕事の進捗状況や個々人のキャリア、能力開発について話す時間をとっています。また、部下全員が自宅や、それ以外の場所で月に5日勤務できるロケーション・フリー・デーやフレックスワークなどを活用しながら、仕事と生活、両方の充実を実現しています。

部下のニーズを理解し、仕事を最適な形で割り振るようになり、全体の生産性を上げながら、部下の仕事に対する満足度を向上させることができるようにもなったと思います。

ここがスゴイ!
★2週間に1度の面談
★自身がロールモデルとなりWLBを推進

from ANDO
毎日定時出退社。幼稚園の送迎、家事全般もこなす鷲田さん。部長級がテレワークを実践し会社の働き方改革に貢献。また部下のライフキャリアを支援するためのコミュニケーションも日々実践。マネジメント時間を増やすことが業績アップに繋がることが分かっている。

安藤哲也 TETSUYA ANDO
1962年生まれ。2男1女の父親。2006年、NPO法人ファザーリング・ジャパン(FJ)を立ち上げ、代表を務める。NPO法人タイガーマスク基金代表。厚生労働省「イクメンプロジェクト」推進チーム顧問、内閣府・男女共同参画推進連携会議委員などその活動は多岐に渡る。

※FQ JAPAN VOL.41(2016年冬号)より転載

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