子供の絶対音感は一部の天才の能力ではなかった!

2016.09.14up
 
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こども不思議Lab #03
子供の絶対音感は一部の天才の能力ではなかった!

FQ JAPAN編集部が子供の不思議に迫ります。第3回のテーマは絶対音感!

♪そもそも絶対音感とは……?

「絶対音感とは、いきなり聞こえた音の高さが分かること。『これはドですよ』などと基準音を教えなくても高さを特定できる能力です」。そう話すのは、東京大学で音楽心理学や認知心理学の研究を重ねた後、一音会ミュージックスクールの代表として活躍している榊原彩子さん。

絶対音感は特別な才能ではなく、子供のうちに適切な訓練をすれば手に入る身近な能力なのだという。事実としてスクールでは、のべ1万人以上の生徒が身につけている。

♪6歳半が能力獲得のリミット

最初の音が「ド」と教えられたあと、それを基準に「レミファソ~」などのメロディを理解する能力を相対音感という。それに対して絶対音感の持ち主は、全ての音を一つひとつ覚えている。丸暗記ではないが、覚え方としては効率的ではない。

「直前に聞いた音との関係から、次の音を読んでいく、相対音感的なやり方が実は簡単なんです。人間は賢いので、簡単なやり方を一度身につけてしまうと、他のやり方ができなくなります」と榊原さん。つまり、知的発達が進むと絶対音感を獲得しにくくなるため、年齢的には6歳半までが目安なのだという。

♪たかが絶対音感?

我が子が絶対音感を得たら、音楽的な才能が開花するのでは……と期待も膨らむが、そんな単純な話ではないらしい。榊原さんいわく「確かに、耳で聴いただけの音楽を楽器で演奏できるなどの利点はあります。でも、あくまで音楽に関わる『数ある能力のひとつ』なので、それさえあればいいと考えるのは間違いです」とのこと。絶対音感が万能というわけではなさそうだ。

♪されど絶対音感!

では、榊原さんが子供たちにトレーニングを勧める理由とはなんなのだろうか。「絶対音感は音楽活動全般をラクにする能力です。音楽が仕事なら大変でも頑張るでしょうが、趣味だった場合はどうでしょうか。ラクで楽しいものだったら続くけれど、そうでなかったら続きませんよね。絶対音感に限ったことではないですが、能力を獲得することは、人生において活動範囲と選択肢を広げる、ということだと思います」と榊原さん。子供が音楽好きなら、人生をより豊かにするという意味でチャレンジさせる価値はありそうだ。

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榊原彩子(AYAKO SAKAKIBARA)
一音会ミュージックスクール校長。東京大学および同大学院修士課程、博士課程にて、心理学を学び、同大学教育学博士号を取得。専門は、「音楽心理学」、「認知心理学」。学習院大学非常勤講師。「新絶対音感プログラム(共著)」、「絶対音感Q&A」、「あなたが教える絶対音感Q&A」いずれも全音楽譜出版社 著書多数。

Text » TAKESHI TOYAMA

※FQ JAPAN DIGEST VOL.38(2016年秋号)より転載
 

 

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