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父親のための絵本講座【前編】

寝かしつけにおける「絵本の読み聞かせ」はパパの必修スキル。講師に、イギリスの話し方セラピスト、ケイト・フリーマンを招き、絵本のHow to授業をはじめます。

 2歳からはじまる
“語彙力”発達期間

読書の大切さは昔から育児書で言われていることだが、どんどんデジタル化していく現代において、子供たちと読書の関わりは、ますます必要になってくる。まずは改めて絵本がもたらす効果を再確認してみよう。

そもそも読書をすることは言語能力を形作るのに必要不可欠な行為である。例えば子供の話し方やコミュニケーション能力、創造力。それらを発達させるために、読書はうってつけな教育なのだ。そこで父親の役目としては、幼少期から言語能力を養うタネを植えておく、つまり「パパとの絵本の時間」を好きになってもらうことがまず大切になってくる。

最近の研究によると、2歳は語彙力の基盤を構築するためにとても重要な時期という。絵本の読み聞かせから始まり、その後も継続的に本と触れ合う機会が増えれば増えるほど語彙力は伸びていく。その結果30歳時点での教育的成功(仕事や家庭の充実度)にも大きく影響することもわかった。彼らが自立する大人になるためにも、2歳児の絵本の読み聞かせは過小評価してはならない。

父親だけに与えられた
読み聞かせの特権

そして絵本の読み聞かせは“父親の役目”ということも忘れてはいけない。なぜかというと、ハーバード大学の研究機関と「the Read On. Get On.」(イギリスの研究機関)のレポートによれば「両親はどちらも大切だが、父親は、母親より挑戦的で直接的なやり方で、子供たちに“想像力に満ちた話し合い”を提供することができ、幼児の言語の発達により大きな影響を与える」という研究結果が出ているからだ。

父親にはそんな魔法の力(言葉を身に着けることを促進する力)が備わっているのに、絵本の読み聞かせをしない父親がまだまだ多いという。イギリスの話し方・言葉遣いのセラピスト、ケイト・フリーマン氏によると、父親が絵本の読み聞かせをしたがらない理由は、単純に自信の問題だという。

「“どのように読めば子供たちに上手に読んであげられるか?”と多くの父親が悩んでいるようです。特に小さい頃は授業中に声に出して教科書を読んで失敗したなど、読書で恥ずかしい思いをした記憶があると、そのように悩む傾向が強いです。お子さんはあなたが読み間違えてもわからないし、子供が興味を持っているのはお話の内容や、父親と一緒に絵本を読んで過ごす楽しさや安心感。それを忘れないでいただきたいですね」。

例えばイギリスのパパたちは、傾向的に、『絵本=読書=難しい文章=「ロミオとジュリエット」(読解力が必要な小説)』という潜在意識がはたらき、気づかぬうちに、絵本の読み聞かせを避けているケースもあるという。

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子供に自信をつけさせる
読み聞かせテク

だが、「読書といっても、必ず子供に本を読み聞かせることだけが重要ではありません」とナショナル・リテラシー・トラストのジム・セルズ氏はそうアドバイスする。

「大切なのはコミュニケーションです。読み聞かせるのが苦手であれば、一緒に読んでみてはどうでしょう? 子供にとって自分自身の声を聞くことは話す練習になり、子供たちに自信をつけるきっかけになります。2歳児ならあまり喋ることができなく、絵本を読むこともままならないでしょう。でもそれでいいんです。ベッドでお話するだけでもいいのです。一緒に楽しく読むその時間こそ、子供たちにはかけがえのないひとときになるはずでしょう」

FQ JAPAN VOL.38(2016年春号)より転載

 

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